国連人権理事会が記者会見 ジャニーズの性加害「数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑」

(2023年8月4日21:30)

国連人権理事会が記者会見 ジャニーズの性加害「数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑」
記者会見するピチャモン・イェオパントン氏㊧とダミオラ・オラウィ氏(YouTubeチャンネル「KYODO NEWSより)

国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会の専門家が4日、都内で記者会見して、ジャニーズの性加害問題について「タレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」などと発表した。ジャニーズの性加害疑惑は国際問題に発展して新たな波紋を広げている。

作業部会は7月24日から日本を初めて公式訪問して、ジャニーズ事務所の前社長ジャニー喜多川氏(2019年、87歳没)の性被害に遭った元ジャニーズJr.などにヒヤリングをするなどして、日本の人権課題として調査をしてきた。

作業部会のピチャモン・イェオパントン氏は「タレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と発表。「だが、政府や私たちがお会いした被害者たちと関係した企業は対策を講じる気配がなかった」としたうえで、「被害者を、政府が主体的に、謝罪であれ金銭的な補償であれ、救済する必要性がある」と指摘した。

さらに、ジャニーズが設置した、外部の専門家による「再発防止特別チーム」の調査は、「透明性と正当性に疑念が残る」「メディアがもみ消しに加担したと聞いている」などと述べた。
作業部会は来年6月に、人権理に報告書を提出する予定という。

■「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の7人が会見

国連人権理事会の記者会見を受けて「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の7人が同所で記者会見して、それぞれの思いを語った。同会は性被害を訴える元所属タレントらで構成され、国連の専門家から聞き取りを受けたという。

石丸志門副代表(55)は、ピチャモン氏が「疑惑」としたことに「(性加害問題は)疑惑ではありません。この問題は現実に起こったことです」と訴えた。そして「私たちはもっと多いのではないか、4桁に到達するのではないかと考えております」としたうえで「人類史上最悪の性虐待事件。これがようやく明るみにでた。この機会を況得たと考えています」と国連人権理事会の発表を評価した二本樹顕理さん(39)は「今後ジャニーズ事務所が私たち加害者に対して、どのような対応をしてくれるのか注視していきたい」と述べた。


■ジャニーズ事務所「今後の取り組みなどについて記者会見で説明」

ジャニーズ事務所は4日、ジャニー氏の性加害問題について調査を進めている外部専門家の「再発防止特別チーム」から、8月末ごろに再発防止策を提言する見込みとの連絡を受けたと発表。提言を受けた後、「できるだけ早く、今後の取り組みなどについて記者会見で説明させていただく予定」と発表した。