2021年の米映画界、「スパイダーマン」のヒットで前年比91%増を記録

(2022年1月5日15:00)

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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のトム・ホランド(Instagram/@spidermanmovie)

2021年の米映画界の興行収入は「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の大ヒットで前年比91%増と2020年を大きく上回ったことが分かった。だがコロナ禍前の2019年と比較すると61%減でまだまだ回復には遠い現状だという。

米映画興行サイト「Box Office Mojo」(1月2日付)は、2021年の映画界について、コロナ禍により山あり谷ありの予測不能な12か月の後、ソニーの超大作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のおかげで勝利のうちに幕を閉じたと報じた。新年の週末に5270万ドル(約61億円)を追加したこのスーパーヒーロー映画は、北米で6億ドル(約690億円)の大台に乗り、国内興行収入で歴代10位となった。コロナのパンデミック前の古き良き時代にはまだ遠く及ばないものの2021年の総興行収入を2020年より大幅に押し上げることに貢献した。

トム・ホランド、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ、ベネディクト・カンバーバッチらが出演するこの映画は、興行記録を次々と塗り替えている。ディズニーの「インクレディブル・ファミリー」を抜いて、国内興行収入歴代トップ10にランクインした。新型コロナウイルスの大流行が続く中、「スパイディ」の快挙は特に大きな意味を持つという。海外で7億5900万ドル(約881億円)稼ぎ、全世界での興行収入は13億7000万ドル(約1590億円)に達している。日本は1月7日公開。

今週の2位は「SING/シング:ネクストステージ」。リース・ウィザースプーン、マシュー・マコノヒー、スカーレット・ヨハンソン、ニック・クロール、ボノが声を担当したこのミュージカルアニメは、2週間の世界興収が1億4,460万ドル(約168億円)に達した。しかし、この続編は、北米で2億7040万ドル(約314億円)、全世界で6億3420万ドル(約736億円)を記録した2016年の1作目「SING/シング」の興行収入に大きく遅れをとっているという。

3位にランクインしたのは、20世紀スタジオのアクション・フランチャイズ「キングスマン」の前日譚「キングスマン:ファースト・エージェント」。予想以上に好調で2週間の国内興収は1,950万ドル(約22億6500万円)に達した。海外でも2830万ドル(約32億8700万円)を稼ぎ出し、世界累計興行収入は4780万ドル(約55億5000万円)となった。

4位はライオンズゲートの「American Underdog」で、公開2週目の週末で410万ドル弱(約4億7600万円)を稼ぎ出した。このスポーツドラマは、スーパーのレジ係からスーパーボウルのクォーターバックまで上り詰めたNFLの実在のスター選手カート・ワーナーの感動的な出世物語で、米国内公開の最初の2週間で1,500万ドル(約17億4000万円)を売り上げた。北米以外ではまだ公開されていない。

5位はワーナー・ブラザースの「マトリックス・レザレクションズ」で、2週目の週末は前週比68.1%減の大幅な落ち込みとなり、国内興収は380万ドル(4億4000万円)と不振に終わった。キアヌ・リーブスとキャリー・アン・モス主演のシリーズ4作目はHBOマックスで同時公開されたため、劇場の収入は減少しているという。家庭用ストリーミング配信がない海外では、この映画はずっと良い結果を出し、現在までに7,510万ドル(約87億2000万円)を稼いでいるが、それでも予想を下回ったという。

2021年の北米全体の年間興行収入は44億ドル(約5110億円)に達した。この数字は、国内興行収入が91%増となり、2020年からの回復を意味する。しかし、コロナ禍前の2019年から61%減少したため、2021年の緩やかな回復は、パンデミック前の好景気からはまだ遠いものとなっているという。