-
ハリウッド特急便
アーノルド・シュワルツェネッガー、ロシア人にメッセージ「クレムリンの戦争プロパガンダは嘘」ウクライナ攻撃をやめるよう訴える
(2022年3月18日12:00)
アーノルド・シュワルツェネッガー(74)が17日(現地時間)、自身のインスタグラムに9分間の動画を投稿して、ロシア人にクレムリン(ロシアの大統領府)の「戦争プロパガンダ」は虚偽でウクライナ攻撃をやめるよう訴え、ロシア国内で抗議行動に立ち上がった人たちを「僕の新しいヒーロー」と称賛した。
米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、シュワルツェネッガーは17日(現地時間)、ロシア人に対し、クレムリンがまき散らす戦争の「プロパガンダ」を無視し、ウクライナへのいわれのない攻撃の暗い現実について「真実を広める」よう熱烈に訴えた。
15歳で重量挙げを始めて20歳でミスター・ユニバースのタイトルを獲得してボディビルだーとして活躍したのち経歴を持つオーストリア系アメリカ人のシュワルツェネッガーは、14歳のときにソ連・ロシアの重量挙げの世界チャンピオン、ユーリ・ペトロヴィッチ・ブラソフ(2021年2月、85歳没)に会って以来、ロシアの人々への尊敬の念を抱いているとしたうえで、ウクライナ侵攻を「ロシアへの攻撃でもある」と指摘した。
シュワルツェネッガーは、クレムリンが主張する「ウクライナの『Denazify』(デナズィー化=ナチ・イデオロギーからの解放)」という任務について、ロシア国民や軍隊にも嘘をついていると指摘した。
「私はロシアの人々を愛しています。だからこそ、真実を伝えなければならないのです」。
プーチン政権がウクライナへの攻撃を正当化するために使っている戦争の「プロパガンダ」を無視するよう熱弁をふるった。「ウクライナを“デナズィー化”する?そんなことはありません。ウクライナはユダヤ人の大統領がいる国です。ユダヤ人の大統領は、父親の3人の兄弟が全員ナチスに殺されている」とカラスを鷺(サギ)と言いくるめる”プーチンの嘘“だと指摘した。
さらに、ロシアの国際的な孤立化と、ロシアが直面している歴史的な経済制裁について説明した。シュワルツェネッガーは、「ウクライナでの行動によって、世界がロシアを敵視しているのがわかるはずです。ロシアの砲撃や爆撃で、小児病院や産科病院を含む街全体ががれきと化してしまったのです。女性や子供、高齢者を中心に300万人のウクライナ人難民が国を離れました。そして、さらに多くの人々が脱出を模索している。人道的危機です」と訴えた。
そしてロシア軍の兵士たちに直接語りかけ、「ウクライナへの攻撃はすべてロシアへの攻撃でもある。あなたが撃つ弾丸はすべて、兄弟姉妹を撃つことになるのです。爆弾や砲弾が落ちるのは、敵ではなく、学校や病院、家庭の上なのです」と述べた。
さらに、父親がナチス軍の軍曹だったという暗い過去についても語った。そして、ロシアでの戦闘で負傷した父と同じ運命をたどらないよう、兵士たちに警告した。
「父がレニングラード(ロシア第2の都市の現サンクトペテルブルグ)に到着したとき、彼は政府の嘘に一喜一憂していた。レニングラードを出たとき、彼は心身ともに壊れていた。背中の骨折の痛み、あの恐ろしい時代をいつも思い出させる榴散弾の痛み、そして罪悪感からくる痛みで、彼は残りの人生を過ごしました」と語った。
そしてメッセージの最後に、政府の侵略に反対して反戦デモを行ったロシアの勇敢な抗議者たちへメッセージを送った。「君たちは僕の新しいヒーローだ。君たちはユーリ・ペトロヴィッチ・ブラソフのような強さをもっている。あなた方はロシアの真の心を持っているのです」。