ウォーホルのマリリン・モンロー肖像画が254憶円で落札 20世紀の作品で史上最高額

(2022年5月10日21:20)

ウォーホルのマリリン・モンロー肖像画が254憶円で落札 20世紀の作品で史上最高額
254億円で落札されたモンローの肖像画(クリスティーズの公式サイトから)

アンディ・ウォーホルが描いたマリリン・モンローの肖像が9日夜(現地時間)、米クリスティーズのチャリティーオークションで1億9500万ドル(約254億万円)で落札された。20世紀の作品で史上最高額を記録した。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、「Shot Sage Blue Marilyn」とのタイトルの同作はモンローが死去した2年後の1964の作品で、ブルーを背景にモンローの顔を描いている。
もともとは同年に描かれた5枚のシルクスクリーンのうちの1枚で、ウォーホルのニューヨークのスタジオ、ザ・ファクトリーに積み上げられて保管されていたという。
パフォーマンス・アーティストのドロシー・ポドバーが立ち寄った際、「シュート(shoot)していいか」と尋ねたところ、ウォーホルは彼女がカメラで撮影すると思い「イエス」と答えると、ポドバーは拳銃を取り出し、ターコイズブルーの版画を除く4枚の絵に描かれたモンローの額を撃ったという。ウォーホルはこの4枚の絵を修復させ「ショット・マリリン」として知られるようになったという。

絵画の落札額のこれまでの記録は、ブルックリンのアーティスト、故ジャン=ミシェル・バスキアの1982年の無題の頭蓋骨の絵で、2017年にニューヨークのサザビーズのオークションで1億1050万ドル(約194億円)の値をつけた。その前はウォーホルの1963年の作品「Silver Car Crash (Double Disaster)」で、2013年に1億540万ドル(約137億円)で落札された。

収益はモンローの肖像画をオークションに出品したトーマス&ドリス・アマン財団チューリッヒに寄付される。同財団は、子どもたちの健康管理や教育プログラムを支援することを目的としているという。 トーマス&ドリス・アマン財団チューリッヒは、秀英期のすべてを子どもたちの健康管理や教育プログラムの支援に使われるという

クリスティーズの20世紀および21世紀美術部門の会長であるアレックス・ロッターは、この作品について「『ショット・セージ・ブルー・マリリン』は、アメリカン・ポップの絶対的頂点です」としたうえで「この絵は、肖像画というジャンルを超え、20世紀の芸術と文化を凌駕しています。ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』、ダ・ヴィンチの『モナリザ』、ピカソの『アヴィニョンの女神』と並び、ウォーホルの『マリリン』は史上最高の絵画の一つです」としている。