ウディ・ハレルソンの「トライアングル・オブ・サッドネス」がカンヌ国際映画祭で8分間のスタンディングオベーション

(2022年5月24日22:30)

ウディ・ハレルソンの「トライアングル・オブ・サッドネス」がカンヌ国際映画祭で8分間のスタンディングオベーション
記者会見するリューベン・オストルンド監督(左から2人目)とウディ・ハレルソン(右から2人目)ら出演者(カンヌ国際映画祭の公式サイトから)

米個性派俳優ウディ・ハレルソン(60)が出演したリューベン・オストルンド脚本・監督の「トライアングル・オブ・サッドネス」(原題:Triangle of Sadness)が、第75回カンヌ国際映画祭で上映され、8分間のスタンディングオベーションを受けた。オストルンド監督の「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(2017年)以来2度目のパルムドールなるかと注目されている。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)は、カンヌ映画祭での8分間のスタンディングオベーションは、まったく新しい賞賛と同紙は報じた。この映画は、今年のカンヌ映画祭で最も大きな反響を呼んだ作品の一つだという。21日(現地時間)のプレミア上映では、オストルンド監督が「サッカーの試合の観客のようだ」と例えるほどの拍手が沸き起こったという。この圧倒的な反応は、「トップガン マーヴェリック」など、同映画祭でこれまで上映されたどの作品よりも大きかったという。米「バラエティ」誌は「トップガン マーヴェリック」を含め、これまでの映画祭で「最も高い評価を得た」と指摘した。

「トライアングル・オブ・サッドネス」はハレルソン、ハリス・ディキンソン、シャールビ・ディーン、ウディ・ハレルソンらが出演した2022年の映画。
モデルのセレブカップルのカール(ハリス・ディッキンソン)とヤヤ(シャールビ・ディーン)が、ハレルソン演じるアルコール依存症でマルクスの言葉を引用する風変わりな船長の超富裕層向けの豪華クルーズに招待される。ロシアのオリガルヒ、イギリスの武器商人などが乗客にいて、すべてがインスタ映えするような世界が広がるが、嵐が吹き荒れ、乗客は船酔いしてしまい、カールとヤヤは、億万長者たちや船の清掃員とともに無人島に置き去りにされる。釣りができるのは清掃員だけという状況のなか、階級がひっくり返る―といった内容だという。

オストルンド監督は2004 年の「Gitarrmongot」が第27回モスクワ映画祭のFIPRESCI賞を受賞。2011年に短編映画「Händelse vid bank」が第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞(短編映画部門)を受賞。そして2017年の作品「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で第70回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しており2度目のパルムドール受賞なるか注目されている。

今年のカンヌ映画祭のコンペ部門には日本から是枝裕和監督の「ベイビー・ブローカー」(6月24日公開)が正式に出品されている。是枝監督は「万引き家族」でパルムドールを受賞しており、こちらも2度目の受賞が成るか注目されている。また河瀨直美監督の「東京2020オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)がクラシック部門で公式上映される。さらに早川千絵監督の「PLAN 75」はある視点部門に出品された。