ケヴィン・スペイシー、性的暴行で無罪評決 ロンドンで祝杯目撃される

(2023年7月28日10:30)

ケヴィン・スペイシー、性的暴行で無罪評決 ロンドンで祝杯目撃される
ケヴィン・スペイシー(インスタグラムから)

ケヴィン・スペイシー(64)が性的暴行罪に問われた裁判で26日(現地事件)、ロンドンの裁判所の陪審員は無罪の評決を下した。疑惑が晴れた夜、スぺイシーはロンドンの一流クラブで祝杯をあげたという。米メディアが伝えた。

米PageSixによると、スぺイシーは、4人の男性への9件の暴行の罪に問われていた。3人の男性が、スペイシーが自分たちの股間を積極的につかんだと告発し、彼を「下劣」で「ヌルヌルした蛇のような」捕食者だと表現した。俳優志望の4するためにビールを飲みに行った後、眠ったり気を失ったりした後、スぺイシーにオーラルセックスをされて目が覚めたと主張した。

スペイシーは、自分が「大の浮気者」であり、合意の上で男性と交際したときに男性の股間を触ったのが唯一の失敗だったと認めた。

スペイシーはロンドンでの裁判で9つの性犯罪容疑すべてについて無罪となった。「無罪」の評決が読み上げられると、オスカー俳優のスぺイシーは涙を流したという。後に彼は「謙虚になった」と語ったという。

弁護人のパトリック・ギブスは、3人の男性は嘘つきと指摘して無罪を主張。「一攫千金を狙って#MeToo運動を利用した」と非難した。裁判でスぺイシーは「私の世界は爆発した。最初の質問に答える前に、私は仕事を失い、評判を失い、数日のうちにすべてを失った」などと訴えた。

スぺイシーは暴行裁判が無罪となった数時間後の26日夜、ソーホーにある会員制のプライベート・スポット、グルーチョ・クラブで友人たちとウイスキーを飲んだ。また64歳の誕生日を祝っていたという。

スぺイシーは裁判所の外で泣き崩れたが、その後はずっと元気だったという。「be kind」(親切に)のボタンが付けられたリュックサックを背負ったスペイシーは「とても誇らしげだった」(店の客)という。別の客は、「彼はウイスキーを飲みながら夜を過ごしました。ハッピーバースデーは歌わなかったけど、みんな元気そうだった」と語った。カジュアルなセーターとパンツ姿のスペイシーは、雨の中、傘をさしてクラブを後にしたという。 無罪評決でスぺイシーのハリウッド復帰は実現するのか注目される。

スぺイシーは1981年に舞台デビュー。1986年に「心乱れて」で映画デビュー。「セブン」の演技で注目され、同年の「ユージュアル・サスぺクツ」でアカデミー賞助演男優賞を受賞。1999年には「アメリカン・ビューティー」で同主演男優賞を受賞するなど映画俳優としての地位を確立した。

しかし、2017年10月、1986年に当時14歳の俳優アンソニー・ラップに性的暴行を加えようとしたと告発された。スペイシーは「深く酔っていて覚えていない」とした上で謝罪し、ゲイであることをカミングアウトしたが「セクハラから目をそらすための巧妙な策」などと業界やLGBTQのコミュニテイーから非難された。

俳優になったアンソニー・ラップは1986年にスペイシーから性的虐待を受けたとして4000万ドル(約55億7300円)を請求する民事訴訟を起こしたが、昨年10月にニューヨークのマンハッタン連邦裁判所の陪審員は原告の訴えを棄却し、スペイシーが勝訴した。

スぺイシーはさらに十数人の同様の性的暴行疑惑を報じられ、2018年12月には当時18歳の男性への強制わいせつで刑事告発されたが2019年7月に証拠となる携帯電話の記録の不備などで告訴が取り下げられた。