映画「ワイルド・スピード」のスタントマン負傷事故で罰金1億5000万円

(2023年11月27日11:20)

映画「ワイルド・スピード」のスタントマン負傷事故で罰金1億5000万円
「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(Instagram/@saga.velozesefuriosos9)

「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(2021年)の撮影中にスタントマンが頭蓋骨を骨折した事故で24日(現地時間)、製作会社に100万ドル(約1億5000万円)の罰金支払いが命じられた。米メディアが報じた。

Page Sixによると、スタントマンのジョー・ワッツ(35)は、2019年7月にイギリスのハートフォードシャーにあるワーナー・ブラザースのスタジオでシリーズ9作目「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」を撮影中、格闘シーンで頭から約15メートル下のコンクリートの地面に落下して頭蓋骨骨折の重傷を負った。命に別状はなかった。製作会社のFF9ピクチャーズは法廷で安全生の不備を認め罰金命令を受け入れたという。

映画「ワイルド・スピード」のスタントマン負傷事故で罰金1億5000万円
スタントマンのジョー・ワッツ(インスタグラムから)

裁判では、安全衛生管理局(HSE)が、何度もリハーサルを重ねたスタントとは異なるスタントを行った際に安全性の問題が欠如してしまったことを指摘し、裁判官は、ワッツは「幸運にも生きている」と述べ、死亡する危険性もあったことを認定したという。ワッツは当初、俳優の右肩の上に投げ出されるはずだったが、直前の変更で俳優の左肩の上に投げ出されると告げられた。用意されていたマットを踏み外しコンクリートの地面に落下した。安全性の問題は撮影の合間にもチェックされていなかったという。

検察側は、ユニバーサル・ピクチャーズの子会社であるFF9ピクチャーズが、「セットとスタントの順序の変更に伴い、意図しない落下によるダメージを軽減するために必要なマットの延長をしなかった」と指摘。「ワッツ氏の怪我は人生を変えるものであり、その場で死亡していた可能性もあった。スタント・ワークでは、落下を防ぐことだけではなく、負傷のリスクを最小限に抑えることが重要」と述べた。ワッツは「ゲーム・オブ・スローンズ」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、「キングスマン:ゴールデン・サークル」などの話題作にスタントマンとして参加ししていた。

「ワイルド・スピード」シリーズは、ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、シャーリーズ・セロンやドウェン・ジョンソンなどが出演。10作目の「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」が今年5月に公開された。11作目が2025年に公開予定で、12作目の製作も示唆されているという。