映画「ラスト」誤射死傷事件 兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告に過失致死罪で有罪評決

(2022年11月14日10;15)

「ラスト」誤射死傷事件 兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告に過失致死罪で有罪評決
有罪評決を受けたハンナ・グティエレス=リード被告(Instagram/@courttvnetwork)

2021年に西部劇映画「ラスト」(Rust)の撮影現場で、アレック・ボールドウィンが撃った銃に実弾が入っていて、撮影監督ハリナ・ハッチンズさんに当たり死亡した事件で、過失致死罪に問われた小道具の兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告(26)に対して、米ニューメキシコ州の裁判所の陪審員は6日(現地時間)、有罪の評決を下した。同様に過失致死罪で訴追されたボールドウィンの裁判は7月に行われる。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、陪審員は3時間の審議の末、ハンナに有罪判決を下し、撮影現場での実弾射撃の最終的な責任は彼女にあると認定した。証拠改ざんの罪では無罪となった。彼女の両親が裁判を傍聴しており、母親は評決が下されると両手で顔を覆ったという。

「ラスト」誤射死傷事件 兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告に過失致死罪で有罪評決
小道具の武器担当ハンナ・グティエレス=リード(Voices of the West/Facebook)

ハンナは有罪判決後、保安官代理に身柄を拘束された。彼女の弁護士は控訴すると語ったという。量刑は後日言い渡されるが、最高で1年6月の禁固刑の可能性があるという。

検察側は、第一助監督、映画のプロデューサー、ライン・プロデューサーを含む多くの証人を召喚し、全員が彼女に不利な証言をしたという。そして、彼女は撮影現場に,持ち込まれた実弾を検知できたかもしれない銃の安全対策をは何度も無視したと指摘。ボールドウィンが撮影中に引き金を引き、ハッチンズさんを死亡させた武器と弾薬の最終責任はハンナにあると指摘した。

今後行われる判事によるハンナの量刑言い渡しと、7月に行われるボールドウィンの裁判が注目される。

「ラスト」誤射死傷事件 兵器係ハンナ・グティエレス=リード被告に過失致死罪で有罪評決
アレック・ボールドウィン㊧とハリナ・ハッチンズさん(Voices of the West/Facebook)



■映画「ラスト」誤射事件

事件は2021年10月21日(現地時間)、米ニューメキシコ州のロケ地で西部劇「ラスト」のリハーサル中に起きた。教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲し、実弾が発射され撮影監督のハリナ・ハッチンズさん(当時42)の胸に当たり死亡、彼女を体を貫通した銃弾が近くにいたジョエル・ソウザ監督(48)の肩に当たり負傷した。

昨年12月、ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで「引き金は引いていない」「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」などと語った。ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは銃に実弾が入っておらず、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったとしている。また、引き金は引いてなく、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張していた。
現地の検察当局は2023年3月に過失致死罪で訴追したが同年4月に訴追を取り下げていた。小道具の武器担当だったハンナ・グティエレス=リードが過失致死罪で訴追されており、ボールドウィンは映画のエグゼクティブプロデューサーだが、日々の決定を下す立場になかったことで検察が訴追を断念したのではないかと報じられた。

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