ハーべイ・ワインスタインのレイプ有罪判決破棄
アシュレイ・ジャッド「サバイバーにとって不当」 告発者たちが猛反発

(2024年4月9日20:00)

ハーべイ・ワインスタインのレイプ有罪判決破棄 アシュレイ・ジャッド「サバイバーにとって不当」 告発者たちが猛反発
ハーベイ・ワインスタイン受刑者㊧とアシュレイ・ジャッド (Instagram/@harveyweinstein__/@ashley_judd)

ハリウッドの元大物プロデユーサー、ハーベイ・ワインスタイン受刑者(72)の性的暴行事件で、米ニューヨーク州最高裁判所が25日(現地時間)、2020年の禁錮23年の有罪判決を破棄して波紋が広がっている。再審が行われる見通しになった。ただし、ワインスタイン受刑者は別の性的暴行事件で禁錮16年の判決を受けているため、釈放はされないという。

ロイター通信によると、最高裁は、起訴内容の対象ではない告発者の被害証言を認めた下級審の手続きに問題があったなどとして判決破棄を決めたという。

米TooFabによると、ワインスタインの有罪判決破棄にハリウッドスターや性被害の告発者が「不当」などと声を上げている。

ワインスタインのセクハラを告発した女優のアシュレイ・ジャッド(56)は「それ(有罪判決破棄)はサバイバーにとって不当です。私たちはまだ真実を生きている。そして、私たちは何が起こったかを知っています」と語り、「アメリカの女性であることが、男性に私たちの体を独占されながら生きることなのだ ということを証明している」と訴えたという。

「サバイバーが自分たちのストーリーを語るとき、彼らは強力なリーダーシップを発揮しているのであり、それが他の人たちに変化をもたらす共有行動に参加するよう呼びかけるのです」といい、「私たちは、恐怖や暴力、私たちの声が消されることを恐れずに、貢献できるようになる必要があるのです」などと語った。

ワインスタインの誘いを断り、キャリアを棒に振ったという女優のミラ・ソルヴィノもインスタグラムで反応し、「根性が悪い」非難し、「そこにいる私の姉妹、仲間の生存者の皆さん、それは私たちがより強く愛し、より強く戦わなければならないということを意味します。悪は醜い頭をもたげますが、私たちは光の軍隊であり、必ず勝利します」と呼びかけた。

女優のマリスカ・ハージテイは、自身もレイプ被害者であり、インスタグラムでこの決定を「あらゆる場所のサバイバーと擁護者に対する痛ましく腹立たしい侮辱」などとコメントするなど相次いで非難する事態となっている。はたして再審でどうなるのか評決の行方が注目される。

ワインスタイン受刑者は、映画製作プロダクション「ミラマックス」の創立者で、プロデューサーとして、アカデミー賞作品賞を受賞した「恋におちたシェイクスピア」(98)や、「パルプ・フィクション」(94)、「「江尾国王のスピーチ」(10)など数多くのヒット作を手掛けた。一方で、打ち合わせと称して女優をホテルに呼び性的行為を強要するなどして、女優など多数の女性から性被害を告発され「#MeToo」運動のきっかけとなった。