「マスカレード・ホテル」木村拓哉&長澤まさみの華麗な競演

東野圭吾の「マスカレード」シリーズの第一作「マスカレード・ホテル」を木村拓哉と長澤まさみのコンビで鈴木雅之監督がメガホンをとり映画化したミステリー・エンターテインメント。

３件の連続殺人事件が起き、正体不明の犯人が第４の犯行の場所として都内の一流ホテルのホテル・コルテシア東京を暗示していたことが分かる。それを受けて警視庁捜査一課はエリート刑事・新田浩介(木村)ら刑事たちを動員して潜入捜査を敢行。新田は同ホテルの優秀なフロントクラークの山岸尚美（長澤）の指導を受け、フロントクラ―クになりすまして訪れる宿泊客に目を光らせる。犯人検挙を至上目的にする新田とあくまで宿泊客の安全を優先する山岸は噛み合わず反目するが、様々なトラブルに対処する中でやがて信頼関係が生まれていく。

わがままで傲慢な宿泊客（笹野高史）やストーカーを恐れるスレンダー美女（菜々緒）、新田に執拗に難癖をつけるクレーマー（生瀬勝久）、視覚障害を装う謎の老婆(松たか子)、客室の備品のバスローブを盗んだ疑惑が浮上する客（高嶋政宏）などなど、次々に怪しい宿泊が現れ２人が対応に追われるなか、事件が衝撃的な展開を見せる。 木村と長澤が刑事とホテルマンという違った立場でぶつかり合う競演が見どころ。なれないホテルマンになり切ろうとする木村演じる敏腕刑事と、お辞儀の仕方や言葉遣いなどホテルマンが板にはまっている長澤演じるフロントクラークの２人を中心に豪華な共演陣が個性豊かに脇を固め、なんとも贅沢なサスペンスになっている。(２０１９年１月１８日公開)