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2月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦

(2021年2月15日16:15)

文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が2月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回はゲストの都合などで8日の放送になり「マーメイド・イン・パリ」「哀愁しんでれら」「あの頃。」の3本の話題作が紹介された。

1月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
(㊧から東紗友美、上地由真、荒木久文)

上地    上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。
今日は月イチの映画をフューチャーする回です。題して「今月のシネマログ」ということで、映画評論家の荒木久文さんと、映画ソムリエの東紗友美さんと一緒にお送りしたいと思います。

荒木・東  よろしくお願いしまーす!

上地    よろしくお願いしまーす!本日もこちらのコーナーからです。「由真のナニソレ」。私が気になっているコトやモノを紹介していきます。
今、家からあんまり出れないので、ひたすら私、Netfliⅹ(ネットフリックス)を見続けているんですけど。

東     私もです。

上地    最近私が見てるのが、『クイーンズ・ギャンビット』。チェスの天才少女の半生を描いているドラマなんですけど、内容もすごい面白いんだけど、主人公のベスのファッションが…50年代から60年代のレトロなワンピースとか可愛いファッションがたくさん出てきて、それを見てるだけで結構楽しいんです。あんな風に着こなしたいなと思いながら。

東     私、二話までしか見てなくて、めちゃくちゃ面白くなったところで止まってるんです。

上地    これからファッションとかもどんどん可愛くなっていくから~。

東     え~。そこ、じゃあちょっとぜひ見たいと思います。

上地    何かおすすめ、あります?他に、さゆみんの・・・。

東     私ね、もうこれ見てほしいんですけど、韓国映画の『#生きている』という映画。これね、去年韓国では劇場公開全部ちゃんと出来て。コロナ禍だったんですけど、ぎりぎり出来て、非常にヒットしたんですけど、全世界ではもう公開は出来ないねということですぐにNetfliⅹ来て。満足度の高い作品なんですけど。ゾンビ映画!

上地    うわ~、私の大好きなゾンビ映画!

荒木    ゾンビ映画…。

上地    そう!大好きだから!

東     家の外に一歩でも出るとゾンビがいるから、家で暮らさなきゃいけないってことで、カップラーメンとかいろんなものを駆使して、サバイバルとかにもむいているような、これとこれを組み合わせて火をおこすとか、そういう系の家で出来ることをやっていくんですよ。それでいろんなヘルプの呼び方もドローンが使われていたり現代的だし、新しいことをとてもやっているんだけど、生き残る手法っていうのは、すごく昔な話で、なんか結構その新と旧のバランスの塩梅みたいなのがたまらない。それでゾンビが本当に気持ち悪い。ちゃんとビジュアルが本当にやばい奴です。

上地    アハハハ…!ぜひ見てみたいと思います。

東     これ見て欲しいです。面白い!

上地    今日は月イチの映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。2月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、荒木久文さんの三人が「これはオススメ!」と思った作品をご紹介していきます。それでは早速さゆみんのおすすめからお願いします。

2月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「マーメイド・イン・パリ」(2月11日、新宿ピカデリーほか全国公開)(©2020 – Overdrive Productions – Entre Chien et Loup – Sisters and BrotherMitevski Production – EuropaCorp - Proximus )(提供・配給:ハピネット)

東     私がご紹介するのは、2月11日公開の『マーメイド・イン・パリ』という映画です。セーヌ川に浮かぶ老舗のバーでウクレレを持って歌うパフォーマーとして働くガスパールは、ある夜、傷を負い倒れていた人魚を見つけます。人魚の名前はルラ。美しい歌声で出会う男性を虜にし、恋に落ちた男性の命を奪うことで自分の身を守ってきました。しかし過去の失恋の経験から、恋する感情を捨て去ってしまったガスパールには、その彼女の歌声が全く届きません。献身的に看病するガスパールにどんどんルラは惹かれていきます。人魚ルラ、そしてガスパールも次第に彼女への思いに気づき始めますが、二人の前に大きな障害が立ちはだかります。果たして二人の恋は成就するのか…。
というお話なんですけども、この映画は一言で言うと、“瞳が潤う目薬的な映画”と私は名付けました!

荒木    目薬…?

東     はい。水のシーンがとっても多いですし、映像がね、本当にきれいなので、だんだん自分の観ている瞳もうるうるしてきて、ちょっとね、極論ドライアイが解決してくるぐらい…本当にきれいなんですよ。しかけ絵本とか、万華鏡とか…なんだろな、そういった世界。本当にいいイメージで、万華鏡とかってくるくるくるくると回す度に見える景色が全然変わるじゃないですか。この映画も本当にすべての画がとってもきれいに作られているなという印象で、設定が人魚と人間の恋なので、ちょっと非現実的というところはもちろんあるんですけども、その美しい映像がその恋に説得力すら持たせてしまうというぐらい、きれいなんですよね。なんて言ったらいいんだろうな・・・人形劇のように人がちょこちょこちょこちょこ…っと、動くシーンもあれば、絵本が出てきて絵本でお話を進めていくシーンもあったり、実写で進んでいくところもあったり、色でどんどん展開していくような色の美しさで展開していくようなシーンもあったり、本当にきれいだなと思ったんですよ。すべての世界観に惚れ惚れしたんですけど、これ観た後、アートの感性が一時的に上がった感じがして。なんか言いたいことわかりません?いろんなものに気づくというか。

荒木    なるほどね、色使いとか…光とかね。

東     そう、そうなんですよ。具体的なところで言うと、この試写を観させていただいた後に家の中を見回したら、あれっ?この家には赤の差し色が足りないんじゃないかな…みたいな感じ。

荒木    アハハハ…。

東     本当、そういうことに気づきたくなってしまうような。

上地    バスルームがね、可愛すぎて。

東     可愛かった~。

上地    あのね、ひよこを置きたくなった、家に。

東     あ、わかる!定番だけどね。

上地    色が欲しくなりますよね。

東     そう、色がね。白黒とかね、おしゃれにシックにまとめたい時もあるんですけど、こういうカラフルな世界観いいなと思ったし、これ、ただのきれいな映画なだけじゃなくて、ちゃんと恋愛の学びもあるなと思ったんですよ。やっぱり恋愛は制限がある方が盛り上がるってこと。これね、ずっと時間との戦いじゃないですか、人魚はずっとは地上にいられないので。久しぶりに、「あっ、やっぱり制限ある恋は盛り上がるな…」なんてこともね。普通な方もね、おとぎ話好きじゃない方も楽しめる作品になっているんじゃないかなと思いました。胸キュンだった。

荒木    原作がですね、フランスのカリスマアーティストと言われるマチアス・マルジウ監督という人で、とにかく多才な人です。音楽、文学、美術。フランスのティム・バートンと言われる。

東     お~!『チャーリーとチョコレート工場』ね。

荒木    はい、そういう自分の原作をね。今おっしゃったように、衣装や美術も美しく、観てるだけでも楽しいんですよね。途中でね、バスルームから人魚が見てる映画がありましたよね、アニメ。テレビの中に出てくる、あれもですね『ジャック&クロックハート 鳩時計の心臓をもつ少年』というのも本人が作ってるやつなんですよ。
だからアニメも作るし、総合的な芸術家という形ですごいんですよ。

人魚の映画ってたくさんありますよね。なんか観たことありますか?

上地    人魚ー?

東     知ってるかな・・・ロン・ハワード監督のトム・ハンクスの『スプラッシュ』とか…。

荒木    うん、『スプラッシュ』ですね、有名ですよね。あと『シェイプ・オブ・ウォーター』なんかもそう、人魚って言えば人魚なんですよね。

東     あ、最近だとそうですよね!アカデミー作品賞をとった『シェイプ・オブ・ウォーター』、魚人?魚人と言うんですかね?

荒木    まあ人魚というよりは半魚人だね。若い女性はマーメイドと言うらしいんですよね。で、男の人魚はマーマンと言うらしいんです。イコール半魚人だよね、ちょっと魚臭い感じがしますもんね。あとは『リトル・マーメイド』ね。有名ですよね。

上地    あ!『リトル・マーメイド』!

東     私、チャウ・シンチーの『人魚姫』。

荒木    『人魚姫』ね。それから『崖の上のポニョ』なんかも考え方によっては。人魚なんですよね。

上地・東  あー、そっかー、ポニョもね。なるほどー!たしかにー。

荒木    私が観た中ではちょっとね、不気味な人魚映画、ホラー映画ありましたよ。『ゆれる人魚』というね、ご覧になりましたか?双子のきれいな人魚なんですけど、人をバリバリ食うんです。

東     そうそうそうそう。

上地    えっ!恐い!

荒木    形もね…人魚の下半身はきれいな扇形の尾びれなんですよ、でも彼女たちは、ウツボみたいな…。

東     そうそう、ゴツゴツした…。

上地    うえー!

荒木    人魚映画としては秀逸でしたよ。

東     結構最近の作品なんですけど。

荒木    人魚映画って障害があって、人間との恋、それをどうやって乗り越えていくかとかね、悲劇的に終わるんですけども、もともと人魚って人を傷つけるもんなんだよね。逆に言えば、人間が傷つけたから…対立関係にあるんですよね。まあその恋を乗り越える、恋の障害を作りやすい設定ではありますよね。

東     結構人魚映画って悲しいものが多いんですけど、この映画ってちょっとポジティブなんですよね。ちょっと前向きになれるような。そういったところ、素敵でしたー!

荒木    きれいでしたし、人魚役のマリリン・リマさん。可愛くてね。

上地・東  可愛かったー!!

荒木    そういう色の髪、してましたね。

東     あっ!マリリン・リマ、意識ですか~。

上地    それにちょっとかぶせたのかな~?アハハハ…ねっ!

東     ということで、私、東紗友美がご紹介したのは、2月11日公開の『マーメイド・イン・パリ』でした!

上地    続いては、映画評論家、荒木久文さんのおすすめ作品です。

2月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「哀愁しんでれら」(©2021『哀愁しんでれら』製作委員会)(絶賛公開中 配給:クロックワークス)

荒木    はい、私のおすすめ作品は現在公開中です。『哀愁しんでれら』という作品です。“哀愁”というのは、“悲しい”というかね、“悲しみのしんでれら”というような意味でしょうかね。
26歳の小春さんがヒロインです。土屋太鳳さん。彼女は児童相談所で地道に働いているんですね。実家は古い自転車屋さんで、四人暮らし。おじいちゃん、お父さん、それから妹。平凡な日々を過ごしている女性ですよね。年頃の女性なので、些かでもちょっと幸せになりたい、そういう夢を持っている、そこら辺にいる普通の女の子です。

ある晩、そんな彼女に、まるで一生分の不幸がまとまって襲いかかってきたような出来事が起こるんですね。これがまたね、もうすごい不幸の連続でですね、アックスボンバーからドロップキックからですね、スープレックスのようなプロレス技のような超ド級の不幸が襲ってきますよね、これでもか、これでもかという爆弾的な不幸ですよ。前半これでね、人の不幸じゃないですけど、まあ笑っちゃうんですよ、見せ場なんですけどね。その一晩で彼女は全てを失ってしまうんですね。それこそ不幸のどん底に叩き込まれてしまうんですね。 そんな時に出会ったのが、かっこいいお医者様、大悟さんという先生です。
お馴染みのね、田中圭さんがやっていますね。彼は8歳の娘・ヒカリちゃんを男手ひとつで育てているんですけども、とっても優しくて超お金持ち。まさに王子様ですよね。で、なんとすぐにプロポーズされるんですね。
ただ幸せになりたいと思っていた小春ちゃんは、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がるという大逆転。ああ、よかったね、めでたしめでたし…ということにはならないんですね…というですね。
まあ何と言ったらいいか、ジェットコースター映画と言ったらちょっとニュアンス違うんですけど、乱高下映画というね、上がったり下がったり的な映画と言えるんじゃないかと思うんです。
この映画のキャッチコピーには“なぜその女性は、社会を震撼させる凶悪事件を起こしたのか”となっていますね。今お話ししたストーリーからは、なぜそんなキャッチコピーが出るのかな、とその辺がちょっと面白いですよね。お二人は観てますけど、観てない人はね、ちょっとそういう疑問が湧くでしょうね。

東     でも面白いですよね。キャッチコピーでもうオチを言ってる、ネタバレしてるんですよね。この女性が凶悪犯になるまでを描くってことですからね。

荒木    まあね、宣伝の方針でそういう風にやっているんでしょうけども。 まあ、あの・・・礼儀としてあんまり後半はしゃべれないんですけどもね。 どこへ連れてかれちゃうの?っていうような映画ですよね。

東     でも本当にこれ、演出すごいなと思って。
どんな幸せのシーンも、なんかずっと不気味。ずっと緊張感なんですよ。人間の目線とか、ちょっと見られてるとか、ちょっと物の位置が変わっていたりとか、そういった気持ち悪い嫌なものがぜーんぶ映画全体に散りばめられているというか…。

荒木    そうですよね。不穏な空気をね…。

東     不穏なんですよ、二時間ずっと。

荒木    照明とか、衣装だとか、人の目線とかね、出してますよね。由真さんもご覧になりましたでしょ?

上地    はい。なんて言っていいか、前半と後半の対比が凄すぎて・・・見応えある作品でしたね。

荒木    見応えはありますよね。役者さんたちもね、土屋太鳳さん、明るく頑張るというイメージですけども…。

東     純真なイメージですよね。

荒木    うん。最後はね、ちょっと今までとは違った雰囲気になりますし。田中圭くんもね、爽やかな中にちょっと内面的な歪みをだんだんだんだん見せてくる、と。それからヒカリちゃんという娘役のCOCOちゃんというね、女の子が、これめっちゃくちゃ印象に残りましたよね。

上地    存在感ありましたよね。

東     なんかインスタグラムのフォロアーさんが63万人いて、ファッション系のインスタグラマーさんらしいんですよ、あの年齢で。

上地    えーっ!そうなんですね。

荒木    お芝居初めてなのに、あの残酷さとかね、愛くるしさもあったり、 凶暴さとかね、不気味さ。俳優さんで続けてくれれば、いい役者さんになりますよね。

東     なりそう!うん、楽しみ。

荒木    監督さんはですね、渡部亮平さんという脚本家なんですけどもね、モンスターペアレンツが逮捕された事件にインスパイアーされて書き上げたオリジナルと言っているのですが、まあ新しい才能だと思っていいですよね。いろんなことをね、考えさせる映画でしたんですけれども。ポスターが象徴的でしたよね、瞳が描かれていない…。

東     そうなんですよ。「白目」って表現がね、わかりやすいと思うんですけど。 家族全員のね、とっても楽しそうな、子供がうさちゃんを抱っこしていて…。

まあ、そのうさちゃんもね、問題があるんですけどね。

荒木    そうなんですよね。まあ映画のエッセンスていうか、今更ながらなんですけど、この歳になって言うのもなんなんですけども、三つほど僕は今日、教訓だなと思いました。

東     おっ…聞きたい!

荒木    人の幸せと不幸はですね、背中合わせであるということ。異常と正常は紙一重。幸せのすぐ隣には不幸が座ってるんですよ、というのが一点。
二番目、王子様と結婚したシンデレラは本当に幸せになれるんですか?なれません!一回踊っただけのね、シンデレラはダメですよ。やっぱりよく知り合って、理解した上で結婚をしましょう、と。私はもう関係ないですけどもね。
さらにもう一つは、人は見かけによらないもの、ということですよね。まあ見かけの判断はダメですよ、はい。真面目に見えるような人がね…。

東     すごく教訓がね、多い映画だったと思います。

荒木    私にお金預ければ安心ですよ。

上地・東  いや~、怖い怖い怖い…怖すぎる~。一番怖い!

荒木    という教訓を得た映画でした!只今公開中の『哀愁しんでれら』という、ちょっと風変わりな作品ですけど、ぜひ推薦です。観てください!

2月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
「あの頃。」(©2020『あの頃。』製作委員会)(2121年2月19日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)(配給:ファントム・フィルム))

上地    「今月のシネマログ」、トリは私、上地由真のおすすめ作品をご紹介します。私がご紹介するのは、2月19日公開の『あの頃。』という映画です。

バイトに明け暮れて、バンド活動もままならず、うだつの上がらない日々を送る松坂桃李さんが演じる主人公の劔くんです。ある日、友人から勧められた松浦亜弥さんのⅮⅤⅮをきっかけに、ハロー!プロジェクトにのめり込み、同じようにアイドルに命を懸ける仲間に出会うんです。彼らと共にアイドルを追っかけ、遅い青春を謳歌する劔くん。
この幸せが永遠に続くかと思われたこの時間も、それぞれの人生でハロプロと同じくらい大切なものを見つけ、次第に離ればなれになっていきますが…というお話です。
さゆみんとか、私たちの世代はハロプロすごい歌ってましたよね。

東     そうそうそうそう。歌ってたから、ね、卒業アルバムを振り返るような懐かしい、そのくらいの懐かしい感覚。

上地    オーディションの時からね・・・「ASAYAN」とか。懐かしい曲とかも、たくさんあったんですけど。
この映画、一言で言うと、自分らしく楽しく生きるようなヒントをくれる映画だなって思いました。何かに夢中になったことがある人だったら、ハロプロじゃなくても、誰でも共感できる映画だと思ったし、なんか大人になってから友達になる、仲間になるのって、何か共通項があったり本当に気が合わないと無理ですよね。難しいですよね。
この映画を観て、そういう私も大人になってから東京出てきて、こんな仲のいい友達とかって出来ないんじゃないかと思ってたけど、今すごく仲のいい、かけがえのない友達がいて、この映画を観て本当にそういう友達との時間とかってかけがえのない時間だなっていうふうに感じました。

東     いや~、これもすっごい面白かったです。なんか私は、今って推しブームじゃないですか、それこそ芥川賞獲った『推し、萌ゆ』もそうですし、推しが逆にいることが正義みたいな世の中、なんか推しがいないと寂しいなっていうことを実はずっと思ってたんですよ、ここ数年。なんか自分ってどっぷりハマれる推しがいない人生ってちょっともったいないかな、って実は思ってたからこそ、この映画で疑似体験というか、経験値が上がったというか、推しのいる人生を体験出来て、そういった角度で逆にね、推しのいる人は共感になるし、いない人は・・・いない人でね、意外と私みたいにちょっとね寂しいって思っている人っていると思うんですよ、推しがいなかったことをね・・・そういう人とかも全部丸ごと包み込んでくれちゃうようなね、優しく…そんな感覚になって。

荒木    僕もね、あんまりそういったアイドルやタレントさんをね、24時間もう大好きで頭から離れないというのは…。

東     いたことないんですか?!本当ですか?

荒木    ないです。熱狂的ファンにはたくさん会ってますけど。私自身はそうなった経験がないんで、ある意味羨ましかったです。これだけ打ち込めるもの、スポーツだとかね、そういうのも同じなんでしょうけど、人間に対しての興味とかそういうもの、ひとつの恋とかね、そういうことはまたちょっと別じゃん。
そういうものに夢中になれるという熱情、それはね時間が経つにつれて変わっていくんですけども、多感な時期にね、そういうものに触れられたってことは、すごい財産にはなるんですよね。仲間たちも一緒にね。私はハロプロなんか出た時はもう仕事していましたから、素材としては扱っていたけど、周りにね、たくさんそういったファンの人たちのことも知ってますし。

東     あーなるほど、自分のファンかと思いましたよ。自分のファンについて言っているのかと…。

上地    アハハハハ!

荒木    いるわけねーだろ。
そういう人たちのね、気持ちも触れてきましたけど、改めて感じましたね。

東     由真さんて、本当に私たち世代だけど、誰がお好きでしたか?

上地    え、ハロプロで?

東     ハロプロ。

上地    ハロプロはですね、まあ加護亜依が幼なじみということも・・・亜依ちゃんが、ずっと幼なじみで。よく私たちSPEEⅮが好きで、真似して一緒に踊ったりしてて、モー娘。になってからもすごく応援はしてましたし。あとね、高橋愛ちゃんに、私ずっと高校生の時に似てるって言われてて。オーディションで上がってきた時から、「えっ?由真?!」ってどこ行っても言われてて。ちょっと高橋愛ちゃんは、なんか意識する存在でした。

東     本当になんだろう、ずっと知ってる友人のような感覚でハロプロのメンバー見ちゃいますよね。

上地    うーん、見ちゃいます。

荒木    誰が好きなの?

東     私は…でも、もう後藤真希さんが出てきた時に13歳だったんですよ。でやっぱり驚いたし。で今回あの頃だと松浦亜弥さん。

上地    可愛いね~!

東     クラス全員がね、「あやや、あやや、あややー!」って言ってた時代が…。

荒木    あややもね、今回はBEYOOOOONⅮS(ビヨーンズ)の山崎夢羽ちゃんていう人が演じてるんですね。

上地・東  そっくりだった。すごくびっくりしました。

荒木    そっくりだったよね、びっくりしましたよね。で、他にもね、それこそ松坂桃李くんがちょっとオドオドした感じとかね。それから似合わない野球帽が、本当にいそうだよね。違和感ありながらもね。

東     そうそう、いそうなんですよね。なんだろう、既視感ありますよね、「この人知ってる!」っていう風になっていて。

上地    とにかく愛おしかった、もう。

荒木    そうですよね。それから若葉竜也くんとか、仲野太賀くんとか売れっ子がね、演じてますから、とても面白かったですしね。私もね、安倍なつみ好きだったですけどね、山崎育三郎に獲られちゃったね…はい。

上地・東  アッハハハハ…!

上地    はい、ということで私、上地由真のおすすめ作品は2月19日公開の『あの頃。』でした。2月公開の映画作品の中からそれぞれの推しをご紹介しました。ぜひ皆さん映画館でチェックしてくださいね。映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました!

荒木・東  ありがとうございました!

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。

■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。

■荒木 久文
現在複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員  日本映画ペンクラブ会員