「軍艦少年」佐藤寛太、加藤雅也が父と息子の深い喪失と再生のドラマを熱演

(2021年12月8日12:00)

「軍艦少年」佐藤寛太、加藤雅也が父と息子の深い喪失と再生のドラマを熱演
「軍艦少年」(©2021『軍艦少年』製作委員会)(配給:ハピネットファントム・スタジオ)

「ギャングキング」「セブン☆スター」などで人気の柳内大樹の青春漫画の実写映画化。長崎県の軍艦島が見える海辺の町でラーメン屋を営む家族の喪失と再生を描く熱血青春ムービー。主人公の坂本海星役に「HiGH&LOW THE MOVIE」「いのちスケッチ」などに出演し、劇団EXILEのメンバーとして活躍する佐藤寛太。海星の父親・坂本玄海に加藤雅也、母親・小百合に大塚寧々、海星の高校の同級生・結に「樹海村」の山口まゆ、海星の友人・純に「ハニーレモンソーダ」の濱田龍臣、さらには玄海の幼馴染・野母崎巌役に「どついたるねん」の赤井英和、海星の教師で玄海の同級生・泉役に清水美沙など、若手俳優とベテランの実力派俳優を配した多彩なキャストが揃った。
監督を務めたのは、「おっさんずラブ」「あのときキスしておけば」などのYuki Saito。そして10-FEETでボーカル/ギターとして作詞作曲も担当する卓真が主題歌を手掛けており、ソロ名義初となる楽曲を書き下ろしている。さらに、世界文化遺産登録後初となる軍艦島での映画撮影が行われた。

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「軍艦少年」(©2021『軍艦少年』製作委員会)(配給:ハピネットファントム・スタジオ)

■ストーリー

軍艦島が見える海辺の町でラーメン屋を営む坂本玄海(加藤雅也)と最愛の妻・小百合(大塚寧々)、息子の高校生・海星(佐藤寛太)は一家で仲睦まじく生活していたが小百合が重い病気になり亡くなってしまう。海星はすさみ絵が好きで入部していた美術部にもいかなくなり、ケンカに明け暮れていた。そして幼馴染の妻に先立たれた父親の玄海は深い喪失感から酒におぼれ無気力な日々を送りラーメン屋は休業。不動産屋が店の売却を迫ってたびたび店にやってきた。父と息子は反目し合い、ケンカばかりしている海星を心配して同級生で同じ美術部の結(山口まゆ)が美術部の活動に来るよう声をかけるが、海星は「ほっといてくれ、お前に何が分かる」と拒絶する。そうしたなか、海星は父親や母親、泉と幼馴染だった野母崎巌(赤井秀和)から軍艦島の話を聞き、父と母が生まれ育った軍艦島に2人の秘密があることを知る。一方で、玄海は妻の仏壇に妻からの手紙を発見し、父子はもがきながらも再生の道へと向かう。

■見どころ

最愛の妻を失った玄海と最愛の母親を失った海星が深い喪失感にさいなまれ、父親は酒におぼれて息子はケンカに明け暮れ、時にやり場のない感情から怒りを爆発させて咆哮する。そして大切な家族を失った父と息子が生きる意味を見出していくドラマを佐藤寛太と加藤雅也が熱演している。その描写はリアルで2人の熱演で心の痛みや叫びが痛いほど伝わって来る。そして海星の同級生の結と純や、玄海の幼馴染の野母崎や泉らに見守られ支えられながらやがて暗いトンネルから抜けだそうとしていく。海星役の佐藤が壮絶なケンカシーンを含め、怒りや悲しみや希望を渾身の演技で見せている。
(2021年12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開)