「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」 敵役総出演でスパイダーマン大活躍のシリーズ集大成

(2022年1月11日20:50)

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」 敵役総出演でスパイダーマン大活躍のシリーズ集大成
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)

「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年)に続くトム・ホランド主演のシリーズ3作目で完結編。NYを守り続けてきたスパイダーマンが前作で適役ミステリオに正体を暴露されてしまったピーター・パーカーが、ドクター・ストレンジにみんなの記憶を消すように頼むが、ドクター・オクトパスなどの過去の「スパイダーマン」シリーズの敵役たちが復活してしまいスパイダーマンに襲い掛かるという内容。トム・ホランドのほかにゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、べネディクト・カンバーバッチ、ウィレム・デフォー、そして”隠し玉“などのオールスターキャストで、監督は前2作に続いてジョン・ワッツ。全米で昨年12月17日から公開され、コロナ・パンデミックの2019年以降、全世界の興行収入が初めて10億ドル(約1150億円)を突破した作品となった。日本では1月7日から公開され先週末の観客動員数(興行通信社調べ)で初登場1位を記録した。

■ストーリー

前作で、敵役のミステリオ(ジェイク・ジレンホール)に正体を明かされてしまったピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)は、ミステリオ殺害の容疑を掛けられ、当局に拘束され、親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)や恋人のMJ(ゼンデイヤ)、メイ叔母さん(マリサ・トメイ)まで尋問されてしまう。弁護士の尽力で不起訴になるが、その騒動の影響でピーターやMJ、ネッドが受験したMIT(マサチューセッツ工科大学)を不合格にされてしまう。追い詰められたピーターはドクター・ストレンジ(べネディクト・カンバーバッチ)に助けを求め、ストレンジはすべての人々からピーターの正体を忘れさせる魔術を行うが失敗してしまう。ピーターはMITの副学長を発見して直談判をするが、そこにドクター・オクトパスが襲い掛かる。さらにはグリーンゴブリン(ウィレム・デフォー)や、リザード(クリス・エヴァンス)など過去のスパイダーマンの敵役たちが次々に現れ、ピーターは窮地を迎える。

■見どころ

ドクター・ストレンジの魔術の失敗で「スパイダーマン」シリーズに登場した過去の敵役たちをほかの並行世界「マルチバース」から呼び寄せてしまい、初代トビー・マグワイア主演のシリーズの1作目「スパイダーマン」に登場したが演じたグリーン・コブリン(ウィレム・デフォー)や2作目の「-2」のドクター・オクトパス(アルフレッド・モリーナ)、さらにはエレクトロ、サンドマン、リザードといった最恐の敵役が次々に出てきてスパーダーマンとの壮絶な戦いを繰り広げる。しかし、ただ敵を倒すだけではなく、グリーン・ゴブリンが元は天才科学者で実験用のパワー増強剤を服用して別人格になったように、それぞれのヴィランの呪いを解いて元の姿に戻そうとするところが従来のシリーズにはなかったもので見どころの一つになっている。
「スパイダーマン」シリーズはトビー・マグワイア主演で「スパイダーマン」(2012年)、「―2」(2014年)、「―3」(2007年)の3作。アンドリュー・ガーフィールド主演で「アメイジング・スパイダーマン」(2012年)、「-2」(2014年)の2作。そしてトム・ホランド主演で「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)、「―:ファー・フロム・ホーム」(2019年)、そして今作の「―:ノー・ウェイ・ホーム」続いている。今作はマグワイアの「スパイダーマン」から始まったシリーズ全体の総集編ともいえそうだ。シリーズファンにはたまらないアッと驚くキャストも2人登場する。NYの高層ビル群を”スウィング“する定番のシーンはもちろん、パーカーとゼンデイヤ扮するMJやジェイコブ・バタロン演じる親友ネッドとのドラマやカンバーバッチ演じるドクター・ストレンジの活躍など見せ場満載のエンターテインメントになっている。
(2022年1月7日から全国で上映中)