「ヴォイジャー」新たな惑星への旅の途中に宇宙船で起きる壮絶バトル

(2022年3月24日10:45)

「ヴォイジャー」新たな惑星への旅の途中に宇宙船で起きる壮絶バトル
「ヴォイジャー」(©2020 VOYAGERS FINANCING AND DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.)

人類が居住可能な惑星を目指して30人の子供たちと教官1人が宇宙船に乗って航行するなか、若者になった乗組員が薬で欲望を抑制されていること知ったことで反乱が起きるドラマを描いた近未来SF大作。スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」に主演して注目されたタイ・シェリダン(上の写真㊧)、ジョニー・デップと元妻ヴァネッサ・パラディの娘で女優として活躍するリリー=ローズ・デップ(同㊨)、「ダンケルク」(2017年)、「ゴヤの名画と優しい泥棒」(2020年)などのフィオン・ホワイトヘッド、「アンチャーテッド」のコリン・ファレルなどのキャストで、ロバート・デ・ニーロとブラッドリー・クーパー共演の「リミットレス」(2011年)、SFアクション大作「ダイバージェント」(2014年)などの監督ニール・バーガーが脚本と監督を兼ねて斬新な映像とスリリングな展開のSFサスペンスに仕上げた。米・英・チェコ・ルーマニア合作映画。

■ストーリー

近未来の2063年、地球温暖化による飢餓が人類を襲うなか、科学者たちが居住可能な新たな惑星発見し、遺伝子工学を駆使して生み出した優秀な30人の子供たちと教官のリチャード(コリン・ファレル)による探査隊が派遣される。太陽系外の新惑星に到着するまでに86年かかり子供たちは成長して船内で子孫を残し、彼らの孫たちが惑星に到着するという壮大な計画だった。子供たちはリチャードに従順に従い、航行は順調に見えた。10年後、子供たちは青年に成長し、クリストファー(タイ・シェリダン)は、毎日飲まされていた青い液体の薬が人間としての本能や感情を抑制する薬だったことを知る。反発した乗組員は薬を飲むのをやめて本能の赴くままに行動し暴走するようになり、やがてザック(フィオン・ホワイトヘッド)がクリストファーとセラ(リリー=ローズ・デップ)を武器を使用して排除し船内を支配することを画策して船内は大混乱になる。

「ヴォイジャー」新たな惑星への旅の途中に宇宙船で起きる壮絶バトル
「ヴォイジャー」(©2020 VOYAGERS FINANCING AND DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.)

■見どころ

86 年かけて新たな惑星に向かうという設定もユニークだが、出発から10年後に乗組員の30人の子供たちが青年になり、感情や欲望を抑制する薬を拒否してはじけていき、船内で暴動が起きる緊迫したドラマなど異色のSF映画になっている。タイ・シェリダン、リリー=ローズ・デップ、フィオン・ホワイトヘッドといった若手俳優たちが熱演している。この映画は近未来になっても争いや暴力による支配をやめない者がいてそれとの戦いが避けられないのではないかと警告しているのかもしれない。
ニール・バーガー監督は「これは真空状態の下にある人間の本能を描く映画だ。根本的に人間とはどんな存在なのか、ということだね。性欲、自由そして権利に目覚めた若者たちの姿や、そうした経験から生まれるゾクゾクするような陶酔感も描いている」とコメントしている。
(3月25日(金)より、全国ロードショー)