スタジオジブリが第77回カンヌ国際映画祭の名誉パルムドール受賞 団体としては史上初

(2024年4月18日20:20)

スタジオジブリが第77回カンヌ国際映画祭の名誉パルムドール受賞 団体としては史上初
スタジオジブリの名誉パルムドールを発表したカンヌ国際映画祭の公式サイト

5月に開催される第77回カンヌ国際映画祭で、スタジオジブリが名誉パルムドールを受賞することが決まった。17日(現地時間)、同映画祭が発表した。団体としての受賞は同映画祭史上初の快挙となった。「スター・ウォーズ」シリーズなどのジョージ・ルーカス監督も同賞に決まった。

同映画祭の公式サイトでは、「宮崎駿監督と高畑勲監督という2人の素晴らしいストーリーテラー、そしてカルト的なキャラクターたちによって具現化されたハリウッドの偉人たちと肩を並べることになった日本のスタジオジブリは、40年にわたりアニメーション映画に新鮮な風を吹き込んできた」と称賛した。

そして、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの以下のコメントを掲載した。
「スタジオジブリが名誉パルムドール・を受賞したことを心から光栄に思います。 カンヌ映画祭に心から感謝します。今から40年前、宮崎駿監督、高畑勲監督、そして私は、子どもから大人まで幅広い世代に質の高いアニメーション映画を提供したいという思いからスタジオジブリを設立しました。今日、世界中の観客が私たちの映画を観ることができ、三鷹の森ジブリ美術館やジブリパークには、私たちの映画の世界を自分自身で発見しようと、多くの観客が訪れています。スタジオジブリがこれほど重要な存在になるまで、私たちは長い道のりを歩んできました。宮崎監督も私も年を重ねましたが、スタジオジブリは、その精神を受け継ぐチームを中心に、これからも新しい挑戦を続けていくことでしょう。今後とも私たちの作品にご関心をお寄せいただければ幸いです」。

カンヌ映画祭会長のイリス・クノブロッホ氏と総代表のティエリー・フレモー氏は「カンヌ映画祭の歴史の中で初めて、個人ではなく団体を称えたいと思います」と強調したうえで「映画のすべてのアイコンと同様に、これらのキャラクターは、その豊かで色彩豊かな世界と繊細で献身的なストーリーで私たちの想像力をかきたてます。ジブリによって、日本のアニメーションは、伝統と現代性の間のシネフィリアの偉大な冒険のひとつとなったのです」とコメントしている。

さらに、スタジオジブリの歴史について、「すべては40年前に始まった。1984年の宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』の成功が、1985年の高畑勲監督とのスタジオジブリ設立につながった。彼らは、純粋な傑作を自主制作し、大衆市場を制覇するという不可能を達成した。プロデューサーの鈴木敏夫は、設立当初からスタジオの主要メンバーであり、すぐに専任の役割を与えられ、手ごたえのある効率的な運営を行い、プロデューサーと監督を兼任する宮崎と高畑のプロジェクトの間に完璧な補完関係を確立した」と紹介した。

「40年以上にわたって20本以上の長編映画を制作してきたスタジオジブリは、詩的でヒューマニズムやエコロジーへのコミットメントに満ちた作品で観客を魅了してきた。ポルコ・ロッソ』、『ポンポコ』、『もののけ姫』、『となりの山田さん』、『風立ちぬ』、『かぐや姫の物語』など、普遍的であると同時に個人的な物語を私たちに届けてきた。また、『千尋の神隠し』が金熊賞(第52回ベルリン国際映画祭)と第75回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、最近では『君たちはどう生きるか』がアカデミー賞長編アニメ―ション賞を受賞している」などと伝えた。

名誉パルムドール(パルム・ドール・ドヌール)は、審査員ではなく主催者が発表・授与する賞。スウェ―デンのィングマル・ベルイマン監督(97)をはじめ、ウディ・アレン監督(02)、「ジャンヌ・モロー」(03)、カトリーヌ・ドヌーヴ(05)、ジェーン・フォンダ(07)、クリント・イーストウッド(09)、ジャン・ポール・ベルモンド(11)、アラン・ドロン(19)、トム・クルーズ(22)、ハリソン・フォード(23)などが受賞している。