「花嫁はどこへ?」 インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末

(2024年10月2日9:00)

「花嫁はどこへ?」  インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末
「花嫁はどこへ?」ポスタービジュアル

“インドの国宝”として知られるアーミル・カーン製作の話題作で、花嫁が取り違えられる騒動を描いたヒューマンドラマ「花嫁はどこへ?」が10月4日から公開される。

同作は、インドの大安の吉日。同じ赤いベールで顔が隠れた2人の花嫁が、花婿の家へ向かう満員列車混乱の中で取り違えられたことから起きる騒動をサスペンスを交えて描いた作品で、第48回トロント国際映画祭に正式出品され、ロッテントマトで高評価を得た。第97回アカデミー賞国際長編映画賞のインド代表に選ばれた。

『きっと、うまくいく』などで知られる知られるインドの映画俳優兼プロデューサーで、インド国立映画賞受賞のアーミル・カーンが脚本を発掘し、盟友キラン・ラオに監督を託して製作された、運命のいたずらを幸せに変える感動の物語。

ラオ監督は、「こちらピープリ―村」(10)などの数多くのヒット作のプロデューサーを務め、カーンが主演した「ムンバイ・ダイアリーズ」(10)で監督デビューを果たした。
取り違えられる花嫁のプールにニターンシー・ゴーエル、もう一人の花嫁ジャヤにプラティバー・ランター。プールの花婿役で、スパルシュ・シュリ―ワースタウなどのキャスト。

「花嫁はどこへ?」  インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末
新婚カップルのディーパク㊧とプール
「花嫁はどこへ?」  インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末
車内の2組の新婚カップルと家族
「花嫁はどこへ?」  インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末
屋台の女主人に助けられて夫を探すプール
「花嫁はどこへ?」  インドの花嫁取り違え騒動のハートウォ―ミングな顛末
謎の行動をとるジャヤ(中央)

【ストーリー】
2001年、あるインドの村で、育ちも性格も違う見知らぬ同士のプール(ニターンシー・ゴーエル)とジャヤ(プラティバー・ランター)の2人の女性が同じ日に結婚式を上げて、花婿に連れられ、たまたま同じ満員列車に乗って、それぞれの花婿の家に向かっていた。ところが、似たような衣装で、同じ赤いベールで顔が見えなかったことから、プールの夫のディーパク(スパルシュ・シュリ―ワースタウ)は間違えてジャヤを連れて列車を下り家に向かう。家について家族が歓迎する中、花嫁がベールを脱いで顔を見せると、花婿は仰天。花嫁は別人だった。置き去りにされたプールは花婿の家の住所や電話もわからず途方にくれる中、屋台の女主人に助けられて花婿を探す。そうしたなか、ジャヤは、自分と夫の名前を偽って告げ、花婿からの連絡を絶ち、ディーパクの家に居候しようとする。ジャヤの秘められた秘密とは?はたまたプールの運命は?と騒動は意外な展開を見せていく。

【見どころ】
物語の舞台となっている2001年のインドの花嫁は色彩鮮やかできらびやかな衣装を着て、ベールで顔を隠す習慣から起きた花嫁取り違えという、あり得ないようだが、満員の列車の混乱の中で起こった騒動から始まり、2人の花嫁のそれぞれの対照的な行動から目が離せなくなる。ジャヤがとった花婿からの連絡を絶とうとする謎めいた行動は、次第に取り違えをチャンスにして自分自身の道を切り開こうとする女性の自立を目指す姿を見せてから、さらにドラマチックになっていくのが見どころになっている。そして、ジャヤの夫が花嫁の行方を探し出して彼女の前に現れた時に、意外な真相が明らかになる。エンディングはハートウォーミングで爽やかな余韻を残す。

【クレジット】
プロデューサー:アーミル・カーン、ショーティー・デーシュバーンデー
監督・プロデューサー:キラン・ラオ
2024年/インド・ヒンディー語/124分/原題:Laapatea Ladies/日本語字幕:徳永詩乃 応援:インド大使館
配給:松竹
© Aamir Khan Films LLP 2024
2024年10月4日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開

■アーミル・カーンの経歴
カーンはインドのマハラシュトラ州ムンバイで、シーア派イスラム教徒の家に生まれた。父のターヒル・フサインも映画監督・プロデューサー、叔父も映画監督だった。 1973年に子役として映画出演し、1984年に大人の俳優としてケータン・メヘター監督の『ホーリー祭』でデビュー。
1988年の『破滅から破滅へ』(Qayamat Se Qayamat Tak)で主演・メジャーデビュー。
1999年には映画会社アーミル・カーン・プロダクションを設立。同社の第1作『ラガーン』に自ら製作及び出演し、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。
2006年の『黄色に塗れ』(Rang De Basanti)は、再びアカデミー賞外国語映画賞にインド代表作品として出品された。
2007年の『地上の星たち』(Taare Zameen Par)では識字障害を持つ少年を主人公に初監督・出演。監督としても高い評価を受けた。
主演作品でインド映画の全世界歴代興行収入1位を5回記録している。
2008年 - 『ガジニ』 / 23億2000万ルピー(約41億円)
2009年 - 『きっと、うまくいく』 / 45億9960万ルピー(約82億円)
2013年 - 『チェイス!』 / 58億9200万ルピー(約104億円)
2014年 - 『PK』 / 85億4000万ルピー(約151億円)
2016年 - 『ダンガル きっと、つよくなる』 / 212億2300万ルピー(約376億円)
社会活動家としての仕事も行っており、ヒラリー・クリントンやビル・ゲイツと対談を行ったことがある。TIME誌による2013年の「世界で最も影響力のある100人」の一人に選出されている。