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映 画

第37回東京国際映画祭、「邪悪な国のアリス」「ソウX」「シン・デレラ」などのとっておき情報
(2024年10月26日10:15)
映画評論家・荒木久文氏が第37回東京国際映画祭、「邪悪な国のアリス」「ソウX」「シン・デレラ」「ゼンブ・オブ・トーキョー」のとっておき情報を紹介した。トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、10月21 日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 今日のテーマは、TIFF&ハロウィン&アイドルです。
鈴木 はい?!
荒木 まず、TIFFと言うのは東京国際映画祭のことです。毎年お伝えしていますが、東京国際 TIFFは国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭で、長編作品のみを対象とする日本最大の映画祭です。
鈴木 はい。
荒木 ダイちゃんは行ったことないかな?
鈴木 ない ない。
荒木 一度行ったらいいと思いますよ。今年は第37回を迎えます。
銀座をメイン会場にして、10月28日~11月6日迄の10日間です。
鈴木 結構あるんですね。
荒木 そうなんですよ。メインはコンペティション部門で、毎年100を超す国と地域から2000近い応募があるらしいです。その中から新人監督から巨匠までの⒑数本ノミネートされて、その中から最優秀作品賞である“東京グランプリ”が決まります。
審査に当たるのは、今年は審査委員長が香港を代表する映画俳優・トニーレオンです。
あとは、女優の橋本愛さんとか、フランスの女優キアラ・マストロヤンニさんとか、そんな人が審査に当たります。他にも特別招待部門という大監督の作品とか、アジアの作品に焦点を当てるアジアの未来部門とか、特に海外に紹介されるべき新作日本映画を上映する「ニッポンシネマナウ」とか、そういう部門があります。
部門をよく見ていただいて興味のあるところに行っていただくのもひとつの手ですよね。
鈴木 映画の未来、日本の未来、ここに詰まってるということですよね。
荒木 それでこの国際映画祭、我々一般人はどんなメリットがあるか?ということなんですが…。普段見られない、アジアや東欧の映画など、かなり珍しい地域風土的な作品が見られる、これ、僕は毎年楽しみなんですよ。東欧の作品なんかには田舎の風景なんかがよく出ていて興味深いです。
鈴木 普通は見ないですもんね。
荒木 なかなか見ないですね。で、生の俳優さんを見たいという人は、煌びやかなレッドカーペット、今年は28日の午後3時くらいからだそうです。まだ、立見席とかは見られるんじゃないかな? それから安い価格で封切前の映画が見られ、その上、出演俳優や監督が舞台挨拶に来るということも嬉しいですよね。
鈴木 映画の表も裏も見られるということですもんね。
荒木 はい。チケットはまだ余裕がありそうなので。
毎年話題になるクロージング作品とオープニング作品なんですが、オープニングは白石和彌監督の『十一人の賊軍』という11月1日公開の作品です。この作品は、この番組で来週紹介したいと思っております。なかなかいい作品です。クロージング作品は、『マルチェロ・ミオ』という、今年のカンヌ国際映画祭でも選出された作品なのですが、この東京国際映画祭の審査委員の1人でもあるフランスの女優キアラ・マストロヤンニさんが、実の父であるマルチェロ・マストロヤンニのようになってしまうという設定です。
鈴木 えっ?なってしまうっていう設定?
荒木 なっちゃうんだって。
同じく、実の母であるカトリーヌ・ドゥヌーヴと共演したことでも話題です。
フレンチコメディです。マルチェロ・マストロヤンニやカトリーヌ・ドゥヌーヴと言っても、高齢者しかわからないと思いますけ。ダイちゃんはわかる?
鈴木 名前聞いたことはありますよ。もちろん!
荒木 日本最大の映画のお祭り、行ける人は是非。ダイちゃんも行って見てください。東京国際映画祭で検索してみてください。
続いてはハロウィンです。
鈴木 ハロウィン!(笑)。確かにそんな時期だね。
荒木 今年のハロウィンは、聞くところによると、渋谷周辺は、今年は寂しくなるようですね。
鈴木 あはははは。
荒木 例年は、大勢の若者や外国人が集まって、トラブルや乱闘事故が起こる経験があるということで、2023年は渋谷に来ないよう呼びかける異例の対応を取りましたよね。そうすると新宿に行っちゃって新宿歌舞伎町が大騒ぎで、今年はふたつの区がある期間中パトロールを強化するみたいです。そんなところ行かないよね。だから、昔の大騒ぎの仮装ハロウィンは過去のものになりそうですね。
鈴木 そうなったらなったで、過去の大騒ぎが懐かしいですね。
荒木 そうなんですよ。考えてみれば、ダイちゃんと私もこの番組で「今年のハロウィンはこのコスプレがお勧めですよ」とかね。
鈴木 やってたよね!いろいろ盛り上がってましたよ、毎年!
荒木 アドバイスしたこともありますよね。
鈴木 ありますよ。ありましたよ。
荒木 なんかそういう事やっちゃいけない雰囲気ですよね、今。
鈴木 お勧めしづらいですよね。
荒木 そうなんですよ、怖い映画紹介しとくだけに留めとおくというか、私も歳なんで事なかれ主義というか、ダイちゃんも立場があるんであまり大騒ぎもね…。
鈴木 いやいや、私は大丈夫ですよ。
荒木 そうですか。どう受け取るかはラジオお聴きの皆さん次第ですね。
鈴木 皆さんに委ねます!っていうパターンですね!
荒木 そうです(笑)。今の時期、ハロウィン映画は怖いの揃ってますんで、ポンポン紹介していきます。
鈴木 楽しみです。

荒木 公開中の作品から。まずは「邪悪な国のアリス」。あのルイス・キャロルの名作児童文学「不思議の国のアリス」をベースにしてもじったことは明らかですけど。
ストーリーです。可愛いアリスは、両親を火事で失い孤児になってしまうんです。大きな屋敷に住むおばあちゃんのルースに引き取られます。ルースおばあちゃんはアリスを温かく迎え入れますが、ひとつだけ守らなければいけない約束がありました。それは、近くにある森には絶対に近づいてはならないというものだったのですね。アリスはその約束を守っているわけが、ないんですね。そしたら、映画が成り立ちませんからね。
鈴木 そうですよ(笑)。
荒木 さあどうなるのか。おばあちゃんの家に引き取られてから、急激に具合が悪くなったアリス。そういう事も含めどんなことが起こるのかという、誰もが知るアリスの物語には残酷な秘密が隠されていたというものです。
鈴木 これ、ホラー風味満載ですか?
荒木 もう、ホラーです!明らかな。血だらけのスプラッターアリスを見たい方は是非どうぞ。「邪悪な国のアリス」という公開中のハロウィン向けの作品でした。
次も公開中です。「ソウX」という。「ソウ」というのは、ご存じ大ヒットシリーズ「ソウ」の。もう10作になるんですね。

鈴木 あの「ソウ」ね。そんなになるんですか!
荒木 そうなんですよ。「ソウX」だから、「ソウ10」とも読めますよね。
鈴木 あーそうか。
荒木 1人は主人公のジョン。末期がんで余命わずかと言われているんですが、ある男からがんを治せるよと言われて、そこに行きます。そこで実験的な医療処置を受けるんですが、しかし再検査の結果は全く改善が見られず、自分が詐欺師たちに騙されたことを知ります。復讐を決意したジョンは主犯格の男女4人を拉致して狂気の拷問装置に拘束し、次々と究極の選択を迫っていくものですが…。
鈴木 …が!?
荒木 熱狂的ファンが多いシリーズですよね。
鈴木 あはははは。
荒木 このシリーズの特徴というのは、逃げ場のない究極の状況設定ですね。
恐ろしく哲学的な“殺人ゲームを施して行って、仰天のクライマックスを迎えるという。
鈴木 …もうやだ、もうやだ。
荒木 やだよねー。「ソウ」は今までの恐怖映画の概念をある意味覆しましたよね。
鈴木 変えましたよね。
荒木 ソリッド・シチュエーション・スリラーっていうんですけどね。
「ソウ」という作品で宣伝会社の人から、そうそうある作品じゃないよと言われ、納得しました。そうは言ってもね…。そういえば、私、高校生の時、I saw a saw cutting a saw.という、私はのこぎりを切るのこぎりを見たという英文を習ったことを覚えています。
鈴木 そんなこと、高校の時習うんですか?普通。
荒木 ま、ダジャレだね、ある種の。I saw a saw cutting a saw.
鈴木 今でも荒木さんが覚えてるってことは、それはためになったってことじゃないですか。
荒木 なってるんだね。印象に残ってるんですよね。英語の先生嫌いだったけど、それだけは覚えているね。
鈴木 そういう話ばっかししないでください、そう…。
荒木 はい(笑)。そういう事を言われたので。想像を超える衝撃と新たな恐怖のゲームが始まると。「ソウX」公開中です。
鈴木 ディレクターのケイちゃんも、あきれた顔で我々を見ていますよ。

荒木 もう一本。10月25日公開、「シン・デレラ」と言います。
シンなかぐろデレラね。 シン・ゴジラと同じ表記です。
ストーリーです。きれいなシンデレラは継母と義理の姉たちからの虐待に苦しむ日々を送っていました。すると、ある日彼女の前に魔法使いが現れます。シンデレラは「舞踏会で王子様と踊りたい」と願って、魔法の力によって舞踏会に参加することができ、憧れの王子と対面します。ここまでは、ご存じのオリジナル通りですね。しかし王子や継母たちは、舞踏会に参加している人々の前で、なんとシンデレラのドレスを剥ぎ取り、全裸にして笑いものにします。辱めを受けたシンデレラは復讐を誓い、ガラスの靴を凶器に変え、邪悪な人間たち、母親や王子を次々と血祭りにあげていくというおっとと・・のストーリーです。
ひと月ほど前にご紹介した「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」に俳優として出演もしているルイーザ・ウォーレン監督がメガホンをとってますけど、著作権は大丈夫なのかという、そちらのほうも怖いですね。
鈴木 大丈夫なんですかね?
荒木 作ってるから大丈夫なんじゃないの? 著作権切れてるってことじゃないのかな。ちょっと怖い「シン・デレラ」今週金曜日25日の公開です。
鈴木 見たいなーって気が、出るような、出ないようなのがいいですね、こういう映画は。
荒木 こういうスプラッタ―が好きな人は、是非行ってください。面白いですよ。僕は大好きです。最後、アイドルです。
鈴木 えーっ?!

荒木 「ゼンブ・オブ・トーキョー」という、10月25日公開です。超人気アイドルグループ「日向坂46」ですね。
修学旅行で東京にやってきた11人の個性的な女子高生たちが、東京の全部を楽しむため大都会を駆け巡るという、半分観光映画みたいなもんですが。メインは、日向坂46のシングル「君はハニーデュー」でセンターを務めた正源司陽子ちゃんです。東京を訪れた高校生の彼女は、東京を巡る完璧なスケジュールを組み立てて、班長として同じ班のメンバーたちと行動を共にするはずだったのです。待ちに待った自由行動の日、なぜか班の全員がバラバラになってしまい、気が付くと彼女はひとり東京スカイツリーの下に立っていたと。班のメンバーたちはそれぞれの思惑を抱いて東京に来ていたのだという、そういう話です。
鈴木 どういうとこ回るんだろう?
荒木 面白そうだよね、私も実際にはまだ見てないんですけど。日向坂46の4期生11人が全員出演しているそうです。企画段階から11人全員に直接インタビューを行って、それをもとに11人のリアルな物語が盛り込まれたオリジナル脚本を作り上げたそうですよ。
鈴木 ファンにはたまらないでしょうね。
荒木 ファンにはたまらないんですよ。ひたすら、ファンが可愛いアイドルたちを眺めて愛でる映画だと思います。他に何も求めちゃダメです!
鈴木 他に何も求めちゃダメなんですね(笑)。
荒木 そうです!映画館の大きなスクリーンで、大好きなアイドル見て至福の時間を味わう、そういう映画です。
鈴木 私も12人目に参加していいですかって言いたくなりますよ、多分ね。
荒木 あ~…。ちょっとやめといた方がいいと思うよ。「ゼンブ・オブ・トーキョー」という、10月25日公開の作品です。主題歌があるので聞いてください。
鈴木 ありがとうございます。