塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品

(2026年7月25日9:30)

塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」ポスタービジュアル

 塚本晋也監督の最新作「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」が第83回ベネチア国際映画祭(9月2日~12日)の最高賞・金獅子賞を競うコンペティション部門に正式出品されることが決まった。

ベネチア国際映画祭はカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつ。塚本監督は同映画祭の常連として知られ、監督作が選出されるのは今回で8回目。コンペ部門への正式出品は、「鉄男 THE BULLET MAN」(09)、「野火」(14)、「斬、」(18)に続き4回目となる。これまで世界的な評価を獲得してきた塚本監督が、本作で再び世界最高峰の映画祭に参加する。コンペ部門には是枝裕和監督の「ルックバック」も出品が決まった。是枝監督も「幻の光」(95)、「三度目の殺人」(17)、「真実」(19)に続いて4度目の出品。選考結果は9月2日(現地時間)に発表される。

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンが、自らの戦争体験と帰還後の葛藤を綴ったノンフィクション。ネルソン氏はその体験をもとに日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けてきた人物でもあり、その証言をもとに塚本監督が「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。

塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」場面写真
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品

塚本監督が「世界がキナ臭くなっている今だからこそ、必ず作らなければならない映画」と語る本作は、ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影を敢行し、“戦争加害者の傷”というテーマに真っ向から取り組んだ、これまでの戦争映画の常識をくつがえす衝撃作。

さらに本作は、アカデミー賞の前哨戦としても知られる、第51回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門への正式出品も決定しており、本公開を前に世界中から大きな注目を集めている。

塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品
塚本晋也監督

ベネチア国際映画祭とトロント国際映画祭への正式出品を受けて、塚本監督からコメントも到着。「このとても重要な場で、アレン・ネルソンさんが命を吹き返す機会を与えてくださったことに感謝します。世界がきな臭くなってきた今、ひとりでも多くの人にアレンさんの体験と生き様を見ていただきたいと思います」とコメントを寄せている。

■主要登場人物のキャラクタービジュアルも解禁

塚本晋也監督「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 第83回ベネチア国際映画祭コンペ部門出品

映画祭参加決定にあわせて、本作のキャラクタービジュアル4点も到着した。4人のメインキャストが演じるそれぞれのキャラクターの苦悩や葛藤を捉えた印象的なデザインとなっている。 ベトナム戦争で"加害者"となった過去に苦しみ続ける壮年期のアレン・ネルソンを演じるのは、ブロードウェイミュージカル「レント」のオリジナルキャストであるロドニー・ヒックス。戦場で負った深い心の傷と向き合いながら、自らの人生を懸命に生きる姿を体現している。
そんなアレンに寄り添い、彼の心の再生を支える医師ニール・ダニエルズ役は、アカデミー賞主演男優賞を受賞した『シャイン』や『英国王のスピーチ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のヘクター・バルボッサ役で知られるジェフリー・ラッシュ。長年にわたるカウンセリングを通して、アレンが自らの過去と向き合うきっかけを与える重要な人物を演じる。
一方、青年期のアレン役には本作が映画初出演となるマーク・マーフィーが大抜擢。希望を胸に軍へ入隊するものの、ベトナム戦争という過酷な現実の中で心身ともに大きく変わっていく若き日の姿を描き出す。
そして、戦争による心の傷に苦しむアレンを献身的に支え続ける妻・リンダを演じるのはタチアナ・アリ。絶望の中でも夫を信じ続けるその深い愛情は、本作に温かな光をもたらしている。

【ストーリー】
貧困や差別から抜け出すために 18 歳で入隊したアフリカ系アメリカ人のアレン・ネルソン。ベトナムという苛烈な戦地で学んだのはただひとつ、いかに多くの人を殺せるか。その対価として得たのは、ごくわずかな賃金と PTSD(戦争後遺症)だけだった。23 歳で家を追い出され、ホームレスとなったアレンをこの世につなぎ止めたのは、退役軍人病院でカウンセリングを行っていたダニエルズ医師の存在だった。

【クレジット】
監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也(『野火』、『斬、』、『ほかげ』)
出演:ロドニー・ヒックス ジェフリー・ラッシュ マーク・マーフィー リリー・フランキー and タチアナ・アリ
原作:「「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」」(アレン・ネルソン著、講談社文庫刊)
参考文献:「戦場で心が壊れて 元海兵隊員の証言」(アレン・ネルソン著、新日本出版社刊)
2026 年|日本|英語|116 分|カラー|5.1ch|Dolby Atmos|ビスタサイズ|英題:Mr. Nelson, Did You Kill People?|PG12
©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners
製作:木下グループ 制作プロダクション:キノフィルムズ、Cross Media International、J&B Entertainment、Chanh Phuong Films
配給:キノフィルムズ 公式サイト:nelsonsan.jp 公式 X:@nelsonsan_movie
9月11日(金)よりkino cinéma新宿ほか公開