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ジョージ・フロイドさん殺害、検察が元警官に禁錮30年求刑
(2021年6月3日15:40)
昨年5月黒人男性ジョージ・フロイドさん(当時46)が白人警官デレク・ショーヴィン被告(45)に膝で首を押さえつけられ窒息死した事件の裁判で2日(現地時間)、米ミネソタ州の検察は禁錮30年を求刑した。
米サイト「TMZ」によると、ミネソタ州の検察官は、ジョージ・フロイドさんを殺害したデレク・ショーヴィン被告に禁錮30年を求刑し、この事件の状況を考慮すると妥当であるとしている。検察官の求刑通りの判決が出ると、ショーヴィン被告は四半世紀以上も刑務所に入ることになる。
米ミネソタ州の裁判所で行われたショーヴィン被告の裁判で4月20日(現地時間)、陪審員は第2級殺人、第3級殺人、第2級過失致死の罪に対してすべて有罪の評決を下した。第2級殺人の最高刑は禁錮40年、第3級殺人が禁錮25年、第2級過失致死が禁固10年だという。
検察側はショーヴィン被告が信頼と権威のある立場を悪用し、フロイドさんを無力に不当で不均衡なパワーバランスを作り出したとしている。さらに、ショーヴィン被告はフロイドさんに対して著しく残酷な扱いをしたと指摘。酸素を求めるフロイドさんの再三の訴えを無視し、約10分間フロイドさんを押さえ続けたとしている。さらに、ショーヴィン被告が複数の子供の前で犯行を行ったことを指摘。少なくとも2人の未成年者が同席しており、彼らも事実上の被害者であるとした。
ショーヴィン被告の弁護人のエリック・ネルソン弁護士は、社会奉仕や保護観察を受けることを提案して刑罰の軽減を要求しているという。判決は6月25日(現地時間)に下される予定。
■ジョージ・フロイドさん事件
ジョージ・フロイドさんは昨年5月25日(現地時間)、米ミネソタ州ミネアポリス近郊で、偽造紙幣20ドルを使用した容疑で拘束されたさいにショーヴィン被告に両手を後ろに手錠をかけられ地面に倒され約9分間首を膝で押さえつけられ「息ができない」といいながら窒息死した。その時の様子を映した動画がネット上に拡散し、人種差別に抗議する「#BlackLivesMatter」(黒人の命も大切だ)のデモが全米に拡大し一部が暴徒化するなど波紋が広がった。
ショーヴィン被告と共に現場にいた他の3人の元警官(J・アレクサンダー・クエン被告、トーマス・レーン被告、トウ・タオ被告)は、いずれも第2級殺人と第2級過失致死のほう助で訴追され、ショーヴィン被告とは別に裁判にかけられる。全員が無罪を主張している。ミネアポリス市は、市やショーヴィン被告らに対して起こされた民事訴訟でフロイドさんの家族と2700万ドル(約29億4300万円)を支払うことで和解した。