ジョージ・クルーニー、バイデン撤退を求める爆弾寄稿 オバマ大統領は事前に知らされたが反対しなかった トランプ氏はクルーニーに猛反発「政治から出ていきテレビに戻れ」

(2024年7月12日10:00)

ジョージ・クルーニー、バイデン撤退を求める爆弾寄稿 オバマ大統領は事前に知らされたが反対しなかった トランプ氏はクルーニーに猛反発「政治から出ていきテレビに戻れ」
ジョジ・クルーニー㊧、バイデン大統領㊥、トランプ前大統領㊨(Instagram/georgeclooney.official__/@joebiden/@realdonaldtrump)

オバマ前大統領は、オスカー俳優のジョージ・クルーニーが10日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズに、バイデン大統領が2024年11月の大統領選挙から降りるよう呼びかける原稿を寄せ”爆弾発言”と波紋を広げている。そうしたなか、民主党のオバマ元大統領は、クルーニーから事前に寄稿文掲載を知らされていたが反対はしなかったという。一方、バイデンとの戦いを有利に進めているトランプ前大統領はクルーニーに激しく反発した。米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)などが報じた。

クルーニーは事前にオバマ元大統領に電話をかけ、ニューヨーク・タイムズでバイデン大統領に大統領選からの撤退の呼びかけをするつもりだと警告していたという。オバマ元大統領はクルーニーにそうした発言を促したわけではないが、止めようともしなかったと情報筋は明かしたという。

民主党支持者でバイデン大統領を応援していたクルーニーは、3週間前にロサンゼルスで女優のジュリア・ロバーツとバイデン候補の資金集めパーティーを共同主催し、3000万ドル(約48億円)もの資金を集めたばかりだったという。

クルーニーはNYタイムズ紙への寄稿で「3週間前の資金調達パーティーで一緒だったジョー・バイデンは、2010年のバイデンではなかった。彼は2020年のジョー・バイデンでもなかった。彼は、私たちが(トランプ氏との)討論会で目撃したのと同じ人物だった」とバイデン氏の変容を指摘。「ジョー・バイデンのために働いている人たちを除いて、募金会場で話した人たちはみんな同じことを考えていた」として、「この大統領では11月に勝つことはできない」と断言した。「これは私だけの意見ではなく、プライベートで話をした上院議員、下院議員、知事全員の意見」と伝え、「ダムは決壊した。砂の中に頭を突っ込んで11月の奇跡を祈ることもできるし、真実を語ることもできる」と付け加えた。
そして「私はジョー・バイデンが大好きです。上院議員として、副大統領として、そして大統領として。私は彼を友人だと思っているし、彼を信じている。彼の人柄を信じています。彼のモラルを信じる」としたうえで、「しかし、彼が勝てない戦いは時間との戦いだ。私たちの誰もそれに勝つことはできない」としている。民主党内部でもくすぶるバイデン撤退論に拍車をかける内容になっている。

■トランプ氏はクルーニーに猛反発

クルーニーの”爆弾発言”が大きな波紋を広げているが、先日の討論会で言葉に詰まるなど効果的な反論をできなかったバイデン氏を圧倒して、有利に大統領選を進めていた共和党の候補、トランプ前大統領は、クルーニーに激しく反発。「政治から手を引いてテレビに戻れ」などとSNSで”口撃”した。米サイトTMZが報じている。
トランプ氏は、自身のSNS「Truth Social」で、2006年に「シリアナ」でアカデミー賞助演男優賞、2012年、製作に名を連ねた「アルゴ」でアカデミー賞作品賞を受賞したクルーニーを「ニセの映画俳優ジョージ・クルーニーは偉大な映画を作るには至らなかったが、政治に介入している。彼はインチキなジョー(バイデン)のような卑劣な男になった」とこき下ろし、「バイデンは民主主義を救っていない。彼は民主主義を崩壊させた。クルーニーは政治から出ていきテレビに戻るべきだ。映画は彼にとって決して役に立たなかった」などと、トレードマークの”毒舌”で非難した。バイデン氏が大統領選から撤退して新たな民主党の候補が出で来ることは自身に不利になると感じてか、クルーニーに苛立ちを隠せないようだ。
一方で、バイデン氏が撤退すれば民主党の次期大統領候補として有力視されているハリス副大統領をターゲットにし始めたという。

■新たな候補選び「電撃予備選」案浮上 司会にテイラー・スウィフトの名前も

そうしたなか、有力議員が新たな候補を選ぶための「電撃予備選」を実施する案を唱えているという。新たな候補による討論会の進行役にテイラー・スウィフトらセレブを起用するという構想だという。スウィフトといえば4年前の大統領選でバイデン候補を支持して当選に一役買ったことで知られる。若者に絶大な人気を誇るスウィフトは大統領選い影響力があるとしてトランプ陣営も警戒しているといわれるが、これまで発言していなかったスウィフトが新候補選出を支持するのか。8月19日~22日に開かれる民主党の大統領候補正式指名まで”バイデン降ろし”が加速しそうだ。。