宝田明さん死去 87歳 死因は肺炎 「ゴジラ」シリーズなどの映画やミュージカルで活躍

(2022年3月18日15:45)

宝田明さん死去 87歳 死因は肺炎 「ゴジラ」シリーズなどの映画やミュージカルで活躍
宝田明さん(所属事務所の公式サイトから)

「ゴジラ」シリーズなどの数多くの映画に出演しミュージカルでも活躍した俳優の宝田明さんが14日午前0時31分、肺炎のため都内の病院で死去したことがわかった。87歳。同日所属事務所が発表した。

宝田さんは今月10日に主演映画「世の中にたえて桜のなかりせば」の舞台あいさつに車いすで出席して、ロシアのウクライナ侵攻に言及して「この現実を見たときに、もっと社会性を持った映画を作らなきゃならないと思っています」と語ったばかりだった。「ゴジラ」の公式ツイッターが追悼コメントを発表するなど長身で二枚目スターとして活躍した宝田さんの突然の逝去を惜しむ声が相次いだ。

■「ゴジラ」公式ツイッターが追悼

宝田さんは映画「ゴジラ」(1954年)に主演したのを皮切りに、その後も「モスラ対ゴジラ」(1964年)、「ゴジラ対モスラ」(1992年)、「ゴジラFINAL WARS」(2004年)、ハリウッド版の「GODZILLA」(2014年)など、数多くのゴジラシリーズに出演した。
映画「ゴジラ」シリーズの公式ツイッターは18日、宝田明さんを悼んだ。 「宝田明さんの突然の訃報に接し、大変驚いております。 1954年11月3日公開の「ゴジラ」を皮切りに、数多くのゴジラシリーズにご出演をいただきました。晩年までゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ってしまった事は残念でなりません。 心からの感謝とともにご冥福をお祈り申し上げます」

また英語版のツイッターでも宝田さんの写真を投稿して追悼した。

■映画「世の中にたえて桜のなかりせば」が遺作に

宝田さんは遺作となった映画「世の中にたえて桜のなかりせば」で乃木坂46の岩本蓮加と共演。今月10日の舞台挨拶の車いすで登壇し、ロシアのウクライナ侵攻に言及して「この現実を見たときに、もっと社会性を持った映画を作らなきゃならないと思っています」と語っていた。
同作の公式サイトでは「本作『世の中にたえて桜のなかりせば』で岩本蓮加(乃木坂46)と共に主演を務め、 エグゼクティブプロデューサーも務めた宝田明が2022年3月14日(月)に急逝いたしました。
この映画は宝田が「桜」をモチーフに企画を温め、宝田の情熱で実現に至ったものです。 宝田は1954年東宝ニューフェイス第6期生としてデビュー以来、映画や舞台、TVの第一線で 活躍してまいりました。4月1日(金)公開の本作が遺作となります。
お知らせが遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げますとともに、故人が生前に 賜りましたご厚誼に対し、熱く御礼申し上げます」と追悼した。

■宝田明(たからだ・あきら)

1934年4月29日生まれ。日本統治下の朝鮮・清津出身。1954年、第6期東宝ニューフェイスとして、「かくて自由の鐘は鳴る」でデビュー。「ゴジラ」(1954年)、「青い山脈」(1957年)、「放浪記」(1962年)など映画出演本数は130本を超える。1964年「アニーよ銃をとれ」で、ブロードウェイミュージカルに挑戦し、芸術祭奨励賞を受賞。「サウンド・オブ・ミュージック」「風と共に去りぬ」「マイ・フェア・レディ」など数多くの作品に主演。 第6回紀伊国屋演劇賞、 第10回ゴールデンアロー賞受賞。数少ないミュージカル主演俳優として 不動の地位を築いた。2016年5月「戦後70年日本映画平和賞」を受賞。2020年第43回日本アカデミー賞「会長功労賞」受賞。私生活では1966年、日本人初のミス・ユニバースの児島明子と結婚したが84年に離婚。歌手の児島美散は長女。