園子温監督、性加害報道で制作プロが謝罪コメント「事実関係を整理して、改めて発表」

(2022年4月5日20:30)

園子温監督、性加害報道で制作プロが謝罪コメント「事実関係を整理して、改めて発表」
園子温監督(事務所の公式サイトから)

映画「冷たい熱帯魚」などで知られる園子温監督(60)から性被害を受けたとする女優の証言をニュースサイト「週刊女性PRIME」が4日に報じた問題で、園監督の制作プロダクションが公式サイトで謝罪し「事実関係を整理して、改めて発表する」とのコメントを発表した。

園監督の制作プロダクション「シオンプロダクション」は公式サイトで「関係者各位の皆様にご迷惑とご心配をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。報じられた“性行為強要疑惑“についての具体的な内容については言及していないが「事実関係を整理して、改めて発表いたします」と説明した。コメントは1日付の発表で、4日の報道について事前に対応したとみられている。「週刊女性PRIME」は、監督する作品への出演を条件に性的関係を迫られたなどの性被害を訴える女優らの証言を報じた。

園監督は「紀子の食卓」(2006年)、「冷たい熱帯魚」(2011年)、「恋の罪」(2011年)、染谷将太とと二階堂ふみが出演の「ヒミズ」(2012年)、綾野剛、山田孝之、沢尻エリカが出演した「新宿スワン」(2015年)、Netflixオリジナル映画「愛なき森で叫べ」(2019年)など数多くのヒット作を手掛けている。またニコラス・ケイジ主演の「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」(2021年)でハリウッドデビューを飾った。「冷たい熱帯魚」「恋の罪」がキネマ旬報ベスト・テン監督賞を受賞するなど独特の描写やストーリーで強烈な作家性を見せて国内外で評価が高い監督として知られる。

監督や俳優の性行為強要疑惑については3月上旬に「週刊文春」が俳優で映画監督の榊英雄(51)から性的被害を受けたとする複数の女優の告発を報じ、榊監督が謝罪し、同監督作品の「蜜月」と「ハザードランプ」が公開中止になった。さらには俳優の木下ほうか(58)が文春オンラインに複数の女優の性的被害告発を報じられて、所属事務所とのマネジメント解約を解除され、芸能活動の無期限休止に追い込まれた。

ハリウッドでは2017年に大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の性加害を複数の女優ら告発し、これをきっかけに女優らが相次いで性被害を告発する「#MeToo」運動が広がったのは記憶に新しい。ワインスタインは2020年3月に強姦罪などで禁固23年の実刑判決を受けて収監された。ここへきて日本でも女優らの性被害告発が相次いでおり成り行きが注目される。