片桐夕子さん死去 70歳 日活ロマンポルノやATG作品などで活躍

(2023年4月13日21:30)

片桐夕子さん死去 70歳 日活ロマンポルノやATG作品などで活躍
片桐夕子さん(公式サイトからl)

日活ロマンポルノやATG「鬼の詩」などの数多くの映画やドラマで活躍した女優の片桐夕子さんが昨年10月16日、肝胆がんで死去したことが13日、明らかになった。所属事務所が発表した。

片桐さんが所属していた事務所「仕事」は同日、公式サイトで「弊社俳優・片桐夕子(本名・小堺由美子)が2022年19月16日、胆管癌のため逝去しました」と報告した。
「ここに生前お世話になりました皆様にご報告と追悼の辞を申し上げます。享年70歳。まだまだ活躍していただきたかったのですが、残念です。なお時節柄、お別れ会等は行いません」としている。

1952年1月26日生まれ。東京都文京区出身。都内の高校を卒業後、銀行に勤務するが半年で退職し、70年に日活に入社。女子学生役でデビューし、71年藤田敏八監督の「八月の濡れた砂」に出演。同年、日活がロマンポルノ路線に転換。同年11月公開の「女子高生レポート・夕子の白い胸」が人気を呼び、白川和子、宮下順子、田中真理、小川節子らと並ぶ初期のロマンポルノの看板女優となり、「白い天使の誘惑」、「おさな妻の告白・陶酔」などの「おさな妻」シリーズなど数多くのロマンポルノ作品に主演した。

74年、東映「安藤組外伝・人斬り舎弟」で菅原文太の情婦役を講演して他社出演が多くなる。75年、村野鐵太郎監督のATG「鬼の詩」で貧困のうちに死んでいく上方落語家の妻を熱演して芸域を広げる。ロマンポルノから芸術性の高いATG作品の出演について、片桐さんは「同じ映画としてみているからそんなに違いはないが、ATGは手作りという感じがすごくする。本当の芝居見せます」と語り、芸術家肌の村野監督にしごかれて女優魂が燃えたことを明かしていた。
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その後も東陽一監督のATG[サード」(77年)や、村野監督の「月山」(79年)などに出演、「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)などのテレビドラマの出演も多く、80年代以降はロマンポルノを離れて一般映画、ドラマで活躍した。

私生活では、74年に日活の小沼勝監督と結婚したが離婚。85年から3年間アメリカを放浪し、89年にアメリカ人と結婚して子供をもうけたが離婚。その後はアメリカと日本を行き来して女優の仕事を続けていた。