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アンバー・ハードが敏腕女性弁護士を雇ってジョニー・デップに反撃

(2019年9月11日)

アンバーとデップ
全面戦争のデップとハード(インスタグラムから)

ジョニー・デップ(56)が今年3月、前妻・アンバー・ハード(33)対して名誉棄損で5000万ドル(約54億円)の損害賠償を請求して提訴した裁判で、ハードが新たに女性のセクハラなどを告発する運動を支援する「#Time’s up」基金設立者の敏腕女性弁護士を雇ったことが分かった。強力な助っ人が加わりデップに猛反撃を開始した。

■裁判の経過

昨年12月にハードが米紙ワシントン・ポストへの寄稿文で、名前は出していないがデップとの離婚騒動について「私はドメスティック・バイオレンス(DV)を象徴する著名人になった」などと記述。DVを告発したことで決まっていた映画を降ろされ、殺害脅迫を受け「毎週電話番号を変えなければならなかった」などと記述。「男が虐待の告発から守られるようになっている社会の仕組みを変えていく必要がある」などとして「性的暴力の廃絶」「男女の格差撤廃」を訴えた。

これに対してデップは3月に、記事は実名は出していないが明らかにデップの事だとわかり、ハードのDV告発は「ハードのキャリアを前進させるために念入りに構成されたでっち上げ」で「彼女は被害者ではなく加害者だ」と主張。名誉棄損として5000万ドルの巨額賠償金を求めて提訴した。

4月にはハード側が「酔いから覚めたり薬物の効果が切れたときに、デップは自分が行ったDVを覚えていないことがよくあった」「デップに殴られて首を絞められた」などとデップから受けたDVの詳細を証言。そして「当時は彼を愛していたので、彼がくり返し改めると約束したので信じていたが、それは間違いだった」などと主張した。

■ハードの弁護団に同性婚の合法化を勝ち取った敏腕弁護士が参加

米芸能サイト「The Blast」によると、ハードの弁護団に新たに加わったロバータ・カプラン弁護士はセクハラを告発する「#Time’s UP」運動を支援する基金を設立した敏腕弁護士で、同性婚を却下する権限を各州に与えた1996年の結婚防衛法を違憲として訴訟を起こし、2013年に最高裁で結婚防衛法の無効判決を勝ち取ったことで知られるという。

カプラン氏は、裁判所にデップが起こした訴訟の却下を求め「この訴訟は全くの皮肉である」と非難。「被告のアンバー・ハードは(ワシントン・ポストの)署名入り寄稿文で、法律や規則社会的な規範の変革を呼び掛け、女性が暴力について積極的に話し支援を受けることを主張しました。それは権力を持つ男性が暴力の告発者を罰したり嫌がらせをすることを変えなければならないからです」とハードの寄稿文の社会的意義を指摘。
そして「2016年にデップから受けた暴力をハードが公にしすることを決意したことに対して、裁判で全面的に争おうとするデップ氏の行為は訴訟権の乱用にあたる」と主張した。また寄稿文ではデップの実名を出していないことから「寄稿文はデップ氏を意図しておらず彼の行為についてなにも言及してなく、彼女の経験とそこから学んだことを書いたもの」で、訴訟の対象にはならないなどと主張している。

■デップの弁護士は「ハードがDVで逮捕された過去があることが皮肉」と反論

これに対してデップの弁護士は「皮肉なのは、アンバー・ハードは「#Me Too」運動のリーダーを自任しているが以前(交際相手の女性に対する)DVで逮捕された過去があるということ。そして今、「#Time’s Up」のリーダーが彼女の代理人になり、作り話とうそを書いたワシントン・ポストの寄稿文がデップの事を書いたものではなく(一般の)男性についての記事だなどといって訴訟から逃れようとしている」などと反論した。両者の主張は真っ向から対立して裁判は泥沼の様相になってきたが、はたして裁判所はどう判断するのか注目される。

■デップとハードの結婚・離婚・DV騒動の過去

デップとハードは2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったフランスの女優で歌手のヴァネッサ・パラディ(46)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが裁判所に離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。iPhoneを投げつけられたりしたという。

デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億7000万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが昨年、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV主張で「シンデレラから(『ノートルダムの鐘』の)醜い男カジモドにされた」などと激しく非難。さらにはデップのDVを報じた英大衆紙「ザ・サン」を名誉棄損で訴えた。