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ビル・コスビーの有罪評決破棄の最高裁判断にセレブらが怒りのツイート

(2021年7月1日21:50)

ビル・コスビーの有罪評決破棄の最高裁判断にセレブらが怒りのツイート
(釈放されたビル・コスビー=インスタグラムから)

ビル・コスビー(83)の性的暴行の有罪評決が6月30日(現地時間)、米ペンシルバニア州最高裁で破棄され釈放されたことを受けて、セレブたちが相次いでSNSでこの衝撃的な決定に対する怒りを表明して波紋が広がっている。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、アンバー・タンブリン、ガブリエル・ユニオン、ロージー・オドネル、キャシー・グリフィンなどのセレブたちが突然の逆転劇にツイッターで怒りをあらわにした。

コスビーは、2004年にフィラデルフィアの自宅で大学職員のアンドレア・コンスタンドさんに薬を飲ませ性的暴行をしたとして有罪評決となり、3年から10年の禁錮刑を受け刑務所に収監されていたが、ペンシルバニア州の最高裁判所は、数十年前に検察との間で不起訴とする合意があり刑事告発から守られるべきだったと判断して有罪評決を破棄したという。元モンゴメリー郡地方検事のブルース・キャスター・ジュニアから起訴されないことを約束されていたので、コスビーは起訴されるべきではなかったという。

映画「呪怨 パンデミック」(2004年)などで知られる女優のアンバー・タンブリン(38)は、このニュースを聞いて激怒し、コスビーに「薬を飲まされ意識を失った状態でレイプされた」女性を知っているとツイートした。
さらに、「MeToo運動の時代の清算のために、キャンセル・カルチャー(個人や組織、思想などのある一側面や一要素だけを取り上げて問題視し、その存在すべてを否定するかのように非難すること。 文化的なボイコットの一つ)が男性の人生をどのように台無しにしたかなんて、女性と生存者のためにも何も聞きたくないわ。どれほど私たちが行き過ぎたかなんて。今日、コスビーの有罪評決が覆されたというニュースは、私たちが十分に進んでいないことの証明です。私たちの司法制度は変えなければなりません」と主張した。

女優、監督、ショーの司会で活躍するアイシャ・タイラー(50)は、タンブリンの投稿をしかめっ面の絵文字付きでリツイートし、「言い訳がましいレイプ犯たちのチームは、私のタイムラインから見ることができる。心配しないで、私が見せてあげるから」と付け加えた。

女優のガブリエル・ユニオン( 48 )は、ジャーナリストのアーネスト・オーエンスの「注:ビル・コスビーの判決が覆るのは、彼が無実だからではありません。彼が以前に行った司法取引をして宣誓証言で女性に薬を飲ませたことを既に認めていたからです」というツイートをリツイートして「#MeToo」を入れた。

政治評論家のアナ・ナバロ=カルデナスは、コスビーを児童買春で有罪になり2019年に自殺したジェフリー・エプスタイン(66歳没)に例えて「リッチでパワフルな性犯罪者ジェフリー・エプスタインは、当時の連邦検事、アレックス・アコスタと甘い取引をしました。リッチでパワフルな性犯罪者のビル・コスビーは、検察官から起訴されないような甘い取引をしてもらい、刑務所から出てきている。このパターンを見た人はいますか?」とツイートした。。

作家のロクサーヌ・ゲイ(46)は、「コスビーが釈放されたのは全くのデタラメ」と非難し、へまをした検察側にも責任があるとしている。「彼は60人以上の女性をレイプしましたが、それは問題ではない?いずれにしても、私はまだ死刑廃止の旅を続けています。私は彼が一生刑務所にいるのがいいと思っていました」。

大物プロデュ―サー、ハーヴェイ・ワインスタインに性的関係を要求されたと告発した女優のロザンナ・アークエット(61)は、「私は、レイプ犯を告発することを恐れ、自分自身にトラウマを抱えている多くの若い女性や男性を知っています。今日、コスビーの釈放のニュースを聞いて胸が張り裂けそうです。私たちにはやるべきことがあります」などと訴えた。

コメディアンのキャシー・グリフィン(61)は「性的暴行、性差別、女性蔑視、年齢差別に関して、女性や少女のために物事が良くなるのはいつ?何が必要なのでしょうか?とても落胆しています」とツイートした。

コメディアンで女優・司会者のロージー・オドネル(59)もコスビーの釈放を問題視し、コスビーを様々な性的違法行為で告発した女性の数が膨大であることに言及して「70人の女性では足りなかったと推測します。 ファック・ユー・ビル」とツイートした。コスビーが2018年に有罪判決を受けた時点で告発者は62人だったという。

■告発者アンドレア・コンスタンドさん「失望した」

コスビーを性的暴行で告発したアンドレア・コンスタンドさんは「失望した」と最高裁の決定を非難した。コンスタンドさんと彼女の弁護士は声明を発表して、最高裁の判断が他の性的暴行の被害者が名乗り出るのを躊躇させる可能性があることに懸念を示した「我々は、すべての被害者が自分の声を聞いてもらうことを強く望んでいます」としている。

■ビル・コスビーの性的暴行事件

コスビーは2004年、フィラデルフィアの自宅で母校のテンプル大学の職員アンドレア・コンスタンドさんにドラッグを飲ませ性的暴行を加えたとして、ペンシルバニア州のモンゴメリー郡裁判所は1918年9月25日、コスビー被告に3~10年の実刑判決を下した。
コンスタンドさんはNBCのインタビューで「リラックスするからと言われ、ブルーの薬を3錠飲まされた。その後ろれつが回らなくなり、体のコントロールが効かなくなって、性的に暴行された」などと生々しく当時のことを告白していた。
「ビル・コスビーショー」などで一世を風靡し「アメリカの父親」と言われた大物コメディアンが手錠をかけられ裁判所を出る様子がニュースで報じられて全米に波紋が広がった。コスビー被告に同様の手口で性的暴行をされたと訴えた女性は数十人に上ったがコンスタンドさんの事件以外は時効を迎えていたという。