第79回ゴールデングローブ賞、濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」が非英語映画賞受賞

(2022年1月10日14:10)

第79回ゴールデングローブ賞、濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」が非英語映画賞受賞
非英語映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」(Instagram/@goldenglobes)

第79回ゴールデングローブ賞が9日(現地時間)に発表され、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が非英語映画賞(旧外国語映画賞)を受賞した。日本の映画がゴールデングローブ賞を受賞するのは市川崑監督の「鍵」以来62年ぶりだという。作品賞は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ドラマ部門)と「ウエスト・サイド・ストーリー」(コメディ・ミュージカル部門)が受賞した。

濱口監督、西島秀俊主演の「ドライブ・マイ・カー」は第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初めての脚本賞と国際映画批評家連盟賞など計4部門で受賞し、第87回ニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞を受賞。8日(日本時間9日)に発表された全米映画批評家協会賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞(西島秀俊)の4冠を達成するなど海外の映画祭などで受賞が相次いでいる。3月27日(現地時間)に開かれる第94回アカデミー賞でも、国際長編映画賞のショートリスト(ノミネートの候補)に選出されており、2月8日のノミネート発表と3月27日(同)の授賞式への期待が高まっている。

第79回ゴールデングローブ賞、濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」が非英語映画賞受賞
主演男優賞(ドラマ部門)のウィル・スミス(Instagram/@goldenglobes)

映画のドラマ部門では「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が作品賞、コディ・スミット=マクフィーの助演男優賞を獲得した。主演男優賞は下馬評通りに「ドリームプラン」のウィル・スミスが、主演女優賞は「愛すべき夫妻の秘密」のニコール・キッドマンが受賞。コメディ・ミュージカル部門ではスピルバーグ監督の「ウェスト・サイド・ストーリー」が作品賞、主演女優賞(レイチェル・ゼグラー)、助演女優賞(アリアナ・デボーズ)を受賞した。

審査員に黒人が1人もいないことなどが批判されてテレビ局が中継を中止するなど大揺れの同賞は、大幅な改革を行いテレビ中継・配信なし、レッドカーペットなしなど異例の形式での開催となった。

■ 第79回ゴールデングローブ賞(映画部門)の主なノミネートと受賞(★)

【 作品賞(ドラマ部門)】
「ベルファスト」、「Coda コーダ あいのうた」、「DUNE/デューン 砂の惑星」、「ドリームプラン」、(★)「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
【作品賞(ミュージカル・コメディ部門)】
「シラノ」、「ドント・ルック・アップ」、「Licorice Pizza」(原題)、「tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!」、(★)「ウエスト・サイド・ストーリー」
【主演女優賞(ドラマ部門)】
ジェシカ・チャステイン(「タミー・フェイの瞳」)
オリヴィア・コールマン(「ロスト・ドーター」)
(★)ニコール・キッドマン(「愛すべき夫妻の秘密」)
レディー・ガガ(「ハウス・オブ・グッチ」)
クリステン・スチュワート(「スペンサー」)
【主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)】
マリオン・コティヤール(「アネット」)
アラナ・ハイム(「Licorice Pizza」)
ジェニファー・ローレンス(「ドント・ルック・アップ」)
エマ・ストーン(「クルエラ」)
(★)レイチェル・ゼグラー(「ウエスト・サイド・ストーリー」)
【主演男優賞(ドラマ部門)】
マハーシャラ・アリ(「スワン・ソング」)
ハビエル・バルデム(「愛すべき夫妻の秘密」)
ベネディクト・カンバーバッチ(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
(★)ウィル・スミス(「ドリームプラン」)
デンゼル・ワシントン「マクベス」
【主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)】
レオナルド・ディカプリオ(「ドント・ルック・アップ」)
ピーター・ディンクレイジ(「シラノ」)
(★)アンドリュー・ガーフィールド(「tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!」)
クーパー・ホフマン(「Licorice Pizza」)
アンソニー・ラモス「イン・ザ・ハイツ」
【助演女優賞】
カトリーナ・バルフ(「ベルファスト」)
(★)アリアナ・デボーズ(「ウエスト・サイド・ストーリー」)
キルスティン・ダンスト(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
アーンジャニュー・エリス(「ドリームプラン」)
ルース・ネッガ「PASSING -白い黒人-」
【助演男優賞】
ベン・アフレック(「The Tender Bar(原題)
ジェイミー・ドーナン(「ベルファスト」)
キアラン・ハインズ(「ベルファスト」)
トロイ・コッツァー(「Codaコーダ あいのうた」)
(★)コディ・スミット=マクフィー(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
【監督賞】
ケネス・ブラナー(「ベルファスト」)
(★)ジェーン・カンピオン(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
マギー・ギレンホール(「ロスト・ドーター」)
スティーヴン・スピルバーグ(「ウエスト・サイド・ストーリー」)
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「DUNE/デューン 砂の惑星」
【非英語作品賞】 「Compartment No.6」(フィンランド・ロシア・ドイツ)、(★)「ドライブ・マイ・カー」(日本)、「The Hand of God」(イタリア)、 「A Hero」(フランス)、「Parallel Moment」(スペイン)