シドニー・ポアチエさんの死亡診断書公開 前立腺がん、アルツハイマー型認知症併発

(2021年1月19日11:00)

シドニー・ポアチエさんの死亡診断書公開 前立腺がん、アルツハイマー型認知症併発
シドニー・ポアチエさん(インスタグラムから)

黒人として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞した俳優シドニー・ポワチエさん(享年94)の死亡診断書が明らかになった。心不全、アルツハイマー型認知症、前立腺がんを併発して死亡したという。米メディアが報じた。ポアチエさんの逝去は7日(現地時間)に発表されたが死因は明らかにされていなかった。

米サイト「TMZ」が入手した死亡診断書によると、ポアチエさんは米カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で亡くなった。職業は俳優で、この分野で76年という驚異的な経験を積んだと記されているという。
ポワチエさんは、車の故障でたどり着いたアリゾナの教会でプライドをかけて教会建設に取り組む黒人青年を演じた「野のユリ」(1963年)で黒人として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞した。さらに白人の生徒たちの高校に赴任した黒人教師を演じた「いつも心に太陽を」(1967年)、人種差別が激しいミシシッピ州のある街で殺人事件が起き人種差別的な白人の署長や住民たちとの緊迫した対立関係の中で捜査に執念を燃やす黒人刑事を演じたサスペンスの名作「夜の大走査線」(同)。ポアチエさんが演じた黒人青年と白人女性の結婚をめぐる双方の家族の葛藤を描いた「招かれざる客」(1967年)などで当時盛り上がっていた公民権運動を背景に、黒人の人間の尊厳や差別と闘う主人公を知的で品格のあるキャラクターと卓越した演技で演じて見せ人気を博した。最近の「#BlackLivesMatter」(黒人の命も大切だ)の先駆者的な存在だった。ポアチエさんの訃報を受けてオバマ前大統領やハリウッドの俳優らから数多くの賛辞や追悼のコメントが寄せられた。