ジョニー・デップとアンバー・ハードの広報が声明発表 「ハードの人生最大の演技」VS「デップの名誉毀損の主張は急速に崩壊」

(2022年5月7日11:20)

ジョニー・デップとアンバー・ハードの広報が声明発表 「ハードの人生最大の演技」VS「デップの名誉毀損の主張は急速に崩壊」
証言するハード㊧とデップ(Twitter/@CourtTV)

ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で5日(現地時間)、ハードの「性的暴行被害」など衝撃的な証言を受けて、双方が声明を発表した。デップの広報はハードの「人生最高の演技」と主張したのに対して、ハードの代理人は「デップ氏の名誉毀損の主張は急速に崩壊している」と反論した

米誌「People](電子版)によると、5日に行われた裁判でハードがデップから瓶で性的暴行を受けたと主張し、デップの虐待を詳細に語った後、ハードとデップそれぞれのチームが同誌に声明を発表した。

デップの広報担当は「デップの弁護士が先月の冒頭陳述で正しく予測したように、ハードさんは尋問で確かに『人生最高の演技』を披露しました」とハードの証言は”演技”だと指摘した。さらに「ハードさんの話が新しく都合の良い詳細を増やし続ける一方で、デップ氏の回想は彼女の最初の主張がなされてから6年の辛い年月を通して全く同じままでした」としたうえで「彼の真実は、それがどのような環境で提示されたとしても同じです」と述べた。

そして「今後行われるデップ氏のチームによる反対尋問が最も重要であり、ハードさんが複雑な証言を通して事実とすり替えようとしている多くの誤謬を明らかにすることは間違いないでしょう」と締めくくった。

■ハードの広報「デップ氏の名誉毀損の主張は急速に崩壊」彼の弁護士は迫害者」

これに対し、ハードのスポークスマンは「今発表された声明文からもわかるように、デップ氏の名誉毀損の主張は急速に崩壊しており、彼の弁護士は検察官から迫害者に変わりつつあります」と反撃。
「彼らは、デップ氏のストーリーは変わっていないと自慢しています。もしそうなら、彼はDV禁止令に敗れ、英国での名誉毀損裁判にも敗れたのですから、被害者を攻撃し、自らの行為に責任を取らないというリサイクルされたアプローチではなく、新しい戦略を考えるべきかもしれません」と指摘した。

さらに「デップ氏が本当に無実なら、なぜ彼は何度もハードさんに謝罪し、『怪物を永久に片付ける』と約束したのでしょう」といい「ハードさんの失望の一つは『パイレーツ・オブ・カリビアン』の俳優が事実とフィクションを区別できないこと、その病気は彼の弁護士団にも広がっているようです」と付け加えた。 そして「そのチームはとてもパニックになっており、説得力のある証拠や写真が紹介されるのを防ぐために徹底抗戦しています。デップ氏は、英国の裁判でもそうでしたが、審理中全くハードさんを見る勇気もなく、代わりに落書きしたり、鼻で笑ったりしているのが不思議でなりません」と皮肉たっぷりに指摘。「この裁判でのデップ氏の行動は、彼らの結婚生活と同様に哀れなものでした」と広報担当者は結論付けた。

■デップは英国の裁判での敗訴を覆せるか

2020年11月、デップは「ワイフビーター「(妻虐待者)」と報じた英紙「サン」を名誉毀損でロンドンの裁判所に提訴。今回と同様にDVをめぐってデップとハードが直接法廷で対決して、前代未聞の暴露合戦を展開した結果、裁判所は「DVはおおむね事実」と認定。デップ敗訴し、上訴も棄却された。
今回はハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムを名誉棄損として500万ドル(約65億円)の損害賠償を求めて米国の裁判所に提訴した。ハードはコラムで、DVを告発したら脅迫されたり、決まっていた役を降ろされるなどした。そうした米国の文化を変革しなければならないといった趣旨の内容だった。デップの名前は出していなかったが、デップ側は明らかにデップとわかり、記事が出て「パイレーツ・オブ・カリピアン」から降ろされるなど損害を被ったとしている。

■2人の裁判のウオッチャー「ロンドンの判例がありデップ側は苦戦か」

2人の裁判のあるウオッチャーは「ハードの手記でデップの名前は出していなかったとしても、当時の状況からデップと特定されると認められる可能性は高い。一方、DVを適示することは公共性、公益性が認められ、さらに真実か真実と信ずるに相当の理由があると認定されば違法性は阻却され、デップはまたしても敗訴になる可能性がある。結局デップによるDVが事実かどうかが大きなポイントになるとみられる」と指摘。 そして「ロンドンの裁判所では判事がデップのDVを詳細に報じたサンの記事を『おおむね事実』と判定した。今回のハードの記事はDVを詳細に指摘たものではないし、どちらかというとDVそのものを非難し女性の権利など文化論や社会の変革について書いたものになっており、名誉棄損を証明するにはサン紙の記事よりハードルが高いのではないか」としてうえで「ただ今回は陪審員が評決をするようなので、陪審員が両者の証言をどう判断するかだが、いずれにしてもロンドンの判例がありデップ側は苦戦する」と指摘した。

■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過

2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。

2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。

その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。判決は「サン」の記事は「おおむね事実」として名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。

2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。

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