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ハリウッド特急便
ジョニー・デップの元エージェント証言、「撮影現場での『プロらしくない行動』が仕事に影響した」
(2022年5月21日13:50)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で、デップの元エージェントとハードの現在のエージェントが証言した。
米サイト「TooFab」によると、2016年に解雇されたデップの30年にわたる長年のエージェント、トレーシー・ジェイコブスさんとハードの現在のエージェント、ジェシカ・コヴァチェヴィッチさんの宣誓証言ビデオが19日(現地時間)、証拠として陪審員に見せられた。
ハードのエージェントはデップのチームから嘘つきの烙印を押されたことによる反発で仕事を失ったと主張。一方、デップの元エージェントは失った仕事は彼自身のせいだとほのめかした。
■デップの元エージェント「事実上、すべての映画で撮影現場に遅刻していた」
ジェイコブスさんは、2021年1月28日に収録されたビデオで、デップと仕事をしている間にデップは「世界最大のスターになった」という。しかし、近年、映画のセットでの「彼のプロらしからぬ行動」のために、代理人として「仕事が非常に複雑になった」と述べた。
「事実上、すべての映画で撮影現場に遅刻していた。私は怒鳴られたものです。私は彼に『あなたは気難しいクライアントだ』なんて言ったことはありません。そんな言葉を使ったことはない。でも、彼にはとても正直に、『こんなことはやめたほうがいい。これはあなたを傷つけている』と。そして、実際にそうなった」と証言した。
さらに、「当初は、彼がいつもクルーと仲が良かったので、クルーは彼を気に入っていました。でも、映画のスターが現れるのを何時間も何時間も待っているのは、スタッフにとって好ましくないことなんです」。
ジェイコブスさんは、彼の行動に関する話が「町中に広まり」、彼らの仕事上の関係の「最後の方では彼を使うのを嫌がるようになった」と語った。「彼の仕事を得るのが難しくなったために、彼のスターとしての地位は衰えてしまったのです」と彼女は付け加えた。「人々は口を揃えて言った。彼の振る舞いについて疑問の声が上がっていたのです」。
また、2016年にデップがエージェントの事務所にやってきて、2000万ドル(約26憶円)を要求したと主張した。
「2000万ドルほしいという内容だった。融資としてではなかった」と主張した。ジェイコブスは、エージェントから「私たちはクライアントにそんなお金を渡す立場にはない。私たちは銀行ではないのです」と言われたという。
■ハードのエージェント「デップとの離婚で直面したネット上の反発や、彼の弁護士が彼女の主張を "デマ "と決めつけたことで失速した」
ハードのエージェント、コバケビッチさんは、「アクアマン」第1作の成功でハードのキャリアは急上昇するはずだったが、デップとの離婚で直面したネット上の反発や、デップの弁護士が彼女のDV被害証言を "デマ "と決めつけたことで失速してしまった」と述べた。
「『このツイートのせいで彼女を雇えない」なんて誰も言ってこないわ。彼らはただ、このような告発によって周囲に悪い評判が立っている人を雇いたくないだけなのです」と彼女は述べた。「嘘つき、でっち上げといわれ、誰かを罵倒していると非難されている人物は、誰も自分のプロジェクトと関連付けたくはないのです」。
具体的には、アマゾンでガエル・ガルシア・ベルナルと共演する映画の出演が決まっていたが「降板させられた」と述べた。
「『この悪評のせいで、彼女からこれを取り上げた』と大声で言う人はいません」と彼女は繰り返し、「彼女がしたことは何もないのですから。全部伝聞だし、何でもいいんです。でも、それ以外の理由はないんです」。
さらに、1作目の成功を受けて2作目の「アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム」(2022年12月米公開)でより良いギャラを再交渉できるはずだったが、DC映画のメラ役として当初3作品契約で提示された200万ドル(約2億6000万円)からアップさせることはできなかったという。ワーナー・ブラザーズはハードの再起用をためらい、主演のジェイソン・モモアとの「相性の悪さ」から彼女の再キャスティングを検討したが、結局彼女を起用し続けたと主張している。コバケビッチさんとハードは「最終的な脚本では出番がかなり減らされた」と証言している。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚したが、わずか1年3か月の結婚生活で16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとしてあざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが続きがあった。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハードを名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。判決は「サン」の記事は「おおむね事実」として名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。