ビル・コスビー、16歳少女への性的暴行で6800万円の賠償支払い命令

(2022年6月22日21:45)

ビル・コスビー、16歳少女への性的暴行で6800万円の賠償支払い命令
ビル・コスビー(インスタグラムから)

米国の元国民的コメディアン、ブル・コスビー(84)に性的暴行を受けたとして被害者が損害賠償を求めた民事裁判で21日(現地時間)、米カリフォルニア州サンタモニカの裁判所の陪審は、コスビーが1975年に当時16歳の女性に性的暴行を働いたと認定し、コスビーに50万ドル(約6800万円)の損害賠償の支払いを命じた。

米サイト「TMZ」によると、原告のジュディ・フースさん(64)の弁護士は「今日、私たちのクライアントであるジュディ・フースは真の変化を勝ち取りました。なぜなら彼女は7年半にわたってビル・コスビーと一歩ずつ戦い、コスビー氏が、フースさんが未成年だったときに彼女を性的暴行したこと、そして彼が彼女にしたことに対して責任を負うべきことを陪審員の評決で証明したからです。私たちはビル・コスビーに対する私たちの勝利を誇りに思います」とコメントした。

フースさんは1975年、当時16歳のときに17歳の友人と一緒に公園の映画のセットでコスビーに会った。コスビーは数日後にプレイボーイ・マンションに来るよう誘ったと主張している。マンションのベッドルームでコスビーと二人きりになり、彼は彼女のパンツの中に手を入れようとしたと証言した。彼女はコスビーに生理中だと嘘をついて止めさせたが、コスビーは勃起した性器に彼女の手を無理やり押し付け、その手でオナニーをしてはてたと主張している。

コスビーは出廷しなかったが、陪審員はコスビーの2015年のビデオ宣誓書を見せられ、その中で彼はフースさんの申し立てを否定し、会ったことさえ覚えていないと述べた。しかし、フースの弁護士は、プレイボーイ・マンションでコスビーとフースさんが写っている写真を陪審員に見せたという。コスビーの弁護団は、この疑惑はフースさんが金銭目当てて虚偽の主張をしていると主張したが認められなかった。

フースさんが2014年12月なって訴訟に踏み切った理由について、彼女は暴行被害が原因で、コスビーが2014年にフィラデルフィアの自宅で大学職員に女性に焼き物を飲ませて性的暴行をしたとして有罪判決を受け刑務所に収監された2018年まで、不安発作とフラッシュバックを引き起こしていたと主張した。コスビーは2021年6月、ペンシルベニア州最高裁で数十年前に検察との間で不起訴とする合意があり刑事告発から守られるべきだったとして有罪判決が破棄され釈放され、セレブが怒りのツイートをするなど波紋を広げた。
コスビーは1980年代にテレビ番組「コスビー・ショー」で一世を風靡し「アメリカのお父さん」と呼ばれた。