アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で遺族と和解 検察は「刑事事件に影響ない」

(2022年10月6日11:45)

アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で遺族と和解 検察は「刑事事件に影響ない」
アレック・ボールドウィン(Instagram/@alecbaldwininsta)

昨年10月、アレック・ボールドウィン(64)の主演映画「ラスト」の撮影中に起きた誤射事件で、死亡した撮影監督ハリナ・ハッチンズさんの遺族とボールドウィンの和解が成立して撮影が再開されることになったが、検察当局は刑事事件の「捜査に影響はない」とする声明を発表した。米メディアが報じた。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、誤射事件で死亡したハッチンズさんの遺族とボールドウィンの和解が成立したことで、来年1月から「ラスト」の撮影を再開することになった。和解の条件は明らかにされていないが、和解金が支払われたとみられる。ハリナさんの夫マシューさんが同作のエグゼクティブプロデューサーを務めることも発表された。

そうしたなか米ニューメキシコ州サンタフェ地方検事局の広報担当ヘザー・ブルワーは、和解のニュースが発表されてからすぐに声明を発表して、和解は刑事告訴追の可能性に「何の影響も与えない」と述べた。
「ハッチンズの不当死事件で、アレック・ボールドウィンを含む『ラスト』のプロデューサーと夫のマシュー・ハッチンズが今日発表した和解は、地方検事メアリー・カーマック¬=アルトワイズが進行中の捜査や、この事件で刑事訴追するかどうかの最終判断に影響を与えることはない」としている。
「民事訴訟は非公開で解決され、多くの場合、金銭的な報酬を伴うが、刑事訴訟は事実のみを扱います。事実と証拠がニューメキシコ州法の下で刑事告発が正当化されれば告発されるでしょう。誰も法律の上に立つことはできない」と指摘したという。

アレック・ボールドウィン、「ラスト」誤射事件で遺族と和解 検察は「刑事事件に影響ない」
死亡した撮影監督ハリナ・ハッチンスさん㊧と負傷したジョエル・ソウザ監督 (Instagram/@halynahutchins /@#joelsouza)

アルトワイズ検事は、銃撃事件の捜査が終わりに近づいており、ボールドウィンを含む最大4人を悲劇に関連して訴追することを検討していると明らかにしている。同検事はニューメキシコ州の財務委員会に訴追に必要な捜査費用を要求し、「可能性のある被告」 として「有名な映画俳優アレック・ボールドウィン」をリストアップしていた。誤射事件の捜査は大詰めを迎えており今後の展開が注目される。

■映画「ラスト」の誤射事件

事件は2021年10月21日(現地時間)、米ニューメキシコ州のロケ地で西部劇「ラスト」のリハーサル中に起きた。教会のセットでボールドウィンが小道具の銃を発砲し、撮影監督のハリナ・ハッチンズさんの胸に当たり死亡、彼女を貫通した銃弾が近くに居たジョエル・ソウザ監督の当たり負傷した。

昨年12月、ボールドウィンは米ABCニュースのインタビューで「引き金は引いていない」「銃に実弾が入っていたとは知らなかった」などと語った。ハッチンズさんの死は事故であり、自分に責任はないと主張。スタッフは銃に実弾が入っておらず、適切に空砲が装填されていることを確認するべきだったとしている。また、引き金は引いてなく、拳銃の撃鉄を戻した後、銃が勝手に暴発したなどと主張しているという。