ブレンダン・フレイザー、「ザ・ホエール」で体重270キロの主人公を演じキャリア復活

(2022年10月14日20:40)

ブレンダン・フレイザー、「ザ・ホエール」で体重270キロの主人公を演じキャリア復活
ブレンダン・フレイザー(Instagram/@brendan_fraser)

「ハムナプトラ」シリーズで知られるブレンダン・フレイザー(53)が「ザ・ホエール」(原題:The Whale)で体重600ポンド(約270キロ)の主人公を演じてアカデミー賞主演男優賞の有力候補といわれキャリアが復活したと話題になっている。

米誌「ヴァラエティ」(電子版)によると、フレイザーは「ハムナプトラ」シリーズ3作(1999年~2008年)や「センター・オブ・ジ・アース」(2008年)に主演し、ハリウッドのAリスト・スターの仲間入りをしたが、アカデミー賞ではノミネートされるのではなく、プレゼンターとして呼ばれる存在だったという。しかし体重が600ポンドある父親が、長年疎遠になっていた娘との絆を取り戻そうとする「ザ・ホエール」(12月米公開、日本2023年公開)での痛快な演技のおかげで、フレイザーは来年3月12日のアカデミー賞の授賞式で主演男優賞が授与されるときに観客席にいるだけではなく、実際にそのトロフィーを手にする最有力候補と同誌は指摘した。

フレイザーは、12年間メジャー映画の主役を演じていなかった。この経歴の空白は、個人的な問題、健康問題、そして2018年、2003年にゴールデングローブ賞を運営するハリウッド外国人記者協会の前会長からセクハラを受けていたと雑誌「GQ」のインタビューで告発した騒動があった。この時の心理的ショックでうつ状態になったこともあり第1線から遠ざかっていたという。

そうしたなか、「レスラー」(2008年)、「ブラック・スワン」(2010年)、「マザー1」(2017年)などのダーレン・アロノフスキー監督(53)が声をかけて「ザ・ホエール」主演が実現したという。

8月のヴェネチア映画祭ではフレイザーが6分間のスタンディングオベーションを浴び、9月のトロント国際映画祭ではそれを上回り、上映後のQ&Aを始めるために主催者が観客を黙らせなければならないほどだったという。ヴェネチア映画祭で涙を流すフレイザーの動画は、ツイッターやTikTokで拡散された。

フレイザーはチャーリーになるために、毎日4時間かけてメイクをし、300ポンド(約135キロ)の重さの人工装具を装着した。(上の写真)撮影が始まる前の数カ月間、ダンスインストラクターと一緒に、この重量のあるキャラクターがどのように動くかを考え、準備をしました。また、支援団体のObesity Action Coalitionに相談したり、食べることに悩む多くの人に話を聞くなど、徹底的なリサーチを行ったという。

フレイザーは、「ハムナプトラ」シリーズ第4弾について「どうなるかはわからない。しかし、もし誰かが適切な構想を思いついたら、私はそれを受け入れるでしょう」と前向きであることを明かした。