エド・シーラン、著作権侵害訴訟で原告勝訴なら「私はもう終わりだ」 マーヴィン・ゲイの曲の盗用で訴えられる

(2023年5月2日12:40)

エド・シーラン、著作権侵害訴訟で原告勝訴なら「私はもう終わりだ」 マーヴィン・ゲイの曲の盗用で訴えられる
エド・シーラン(Instagram/@teddysphotos)

英シンガーソングライター、エド・シーラン(32)の曲「シンキング・アウト・ラウド」がマーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」の盗作として著作権侵害で訴えられた裁判で、シーランはもし盗用が認められたら、「わたしもう終わりだ」と語ったという。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、先週からニューヨークのマンハッタン連邦裁判所で始まった裁判で、シーランの弁護士イレン・ファーカスが被告人尋問で原告側の主張が認められた場合どうなるかと質問すると、シーランは「もしそうなったら、私はもうやめる」と答えたという。そして「シンガーソングライターとして生涯をかけて働いている。それを矮小化することは本当に侮辱だと思う」と述べ盗用を否定したという

原告は、音楽学者アレクサンダー・スチュワートと、ゲイと「レッツ・ゲット・イット・オン」を共作した故エド・タウンゼントの娘のキャサリン・タウンゼント・グリフィンで、シーランの曲「シンキング・アウト・ラウド」(原題:Thinking Out Loud)の最初の24秒がマーヴィン・ゲイ(1984年、44歳没)の「レッツ・ゲット・イット・オン」(原題:Let’s Get it On.)の冒頭に似ており盗用と主張している。

アメリカのシンガーソングライターでレコードプロデューサーのゲイは「ホワッツ・ゴーイン・オン」(1971年)などのヒット曲で知られる。「レッツ・ゲット・イット・オン」は1973年に発表されて即座にR&Bのクラシックとなったヒット曲。

シーランは、法廷で弁護士から「『シンキング・アウト・ラウド』を書いたとき、『レッツ・ゲット・イット・オン』から何かコピーしましたか?」と質問され「いいえ」ときっぱり否定した。

グラミー賞を4回受賞したシーランは1日(現地時間)、法廷でヴァン・モリソンの曲「Tupelo Honey」や「Crazy Love」などを弾き語りで披露して、「レッツ・ゲット・イット・オン」から盗んだとされる曲の一部を歌って見せたという。

そして「シンキング・アウト・ラウド」をシーランと共作したエイミー・ワッジは陪審員に、この曲はモリソンの「Have I Told You Lately」に近いと説明した。曲作りの過程でゲイが彼女に影響を与えることはなかったと証言した。

「私たちが曲を書いて、エドが電話で再生し始めたら、2人ともヴァン(・モリソン)の曲だと言ったわ。ヴァン・モリソンの曲と同じような雰囲気があった」という。

シーランは「正直に言えば、彼がここでやっていることは犯罪的だ」と主張。スチュワートについて「彼が専門家であるはずがない。もちろん、これは私の意見ですがと疑問を呈した。もし陪審員がシーランに不利な評決(盗用を認める)を下した場合、タウンゼント一家にどのような損害賠償が支払われるべきかが決定されるという。陪審員がどう判断するのか、評決の行方が注目される。