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「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」 アガサ・クリスティの現代版の極ノンストップ・ミステリー

(2020年2月1日)

「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」アガサ・クリスティの現代版の極上ミステリー
「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督が「007」シリーズのダニエル・クレイグ、同シリーズ最新作のボンドガール、アナ・デ・アルマス、「アベンジャー」シリーズのクリス・エヴァンスらの豪華キャストで映画化した本格的なミステリー。

■ストーリー

世界的ミステリー作家で出版社の創設者ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の誕生パーティーがニューヨーク郊外の大豪邸で開かれ、子供たちや孫たちファミリーが集まった夜に事件が起きる。翌朝スロンビーは寝室のベッドで遺体で発見される。のどを切り裂かれ床に血にまみれたナイフがあった。地元警察のエリオット警部補(キース・スタンフィールド)は自殺とみなしたが、事件はハーランが残した莫大な遺産をめぐってしだいに複雑な様相を帯びてくる。匿名の人物から事件の調査依頼を受けた名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、パーティーに参加していたハーランの長女リンダ(ジェイミー・リー・カーティス)やその息子のランサム (クリス・エヴァンス)など資産家の親族たちや、ハーランの身の回りの世話をしていた看護婦マルタ・カブレラ(アナ・デ・アルマス)らから話を聞きながら事件の真相に迫って行く。

■見どころ

クールなタフガイのボンド役から人間臭く饒舌な私立探偵役を熱演するダニエル・クレイグと、「ブレードランナー2049」(2017年)に抜擢されてブレイクし、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(4月10日、日本公開)でクレイグと共演しているアナ・デ・アルマスのコンビが複雑に入り組んだミステリーをスリリングに牽引して最後まで目が離せない。途中でいったん事件は解決したかに見えるが、その後に次々に意外な新事実が明るみに出てきて最後にどんでん返しが待ち受ける濃密なミステリーと謎解きの展開は、まさに予測不能のエンターテインメントになっている。ライアン・ジョンソン監督は「アガサ・クリスティの推理小説を思わせるようなミステリー映画を撮ってみたい」というような発言をしていたというが、その狙い通りのコメディの要素も加えた「アガサ・クリスティの現代版」といった映画になっている。アカデミー賞の脚本賞にノミネートされている。昨年11月27日に全米で公開され、公開初週末の興行収入ランキングが同じ日に公開された「アナと雪の女王2」に次いで初登場2位のヒットになった。
(2020年1月31日公開)