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「望み」 消えた息子は殺人犯か被害者か家族の葛藤と望み

(2020年10月10日12:00)

「望み」 消えた息子は殺人犯か被害者か家族の葛藤と望み
「望み」(TOHOシネマズ渋谷)

失踪した息子をめぐって殺人事件が起き、息子に殺人犯との噂が広まりマスコミが連日家の前に押しかけるなど深刻な危機に巻き込まれた家族の深い苦悩や葛藤と一縷の「望み」を描いたサスペンス。雫井侑介氏の同名小説を堤真一、石田ゆり子、岡田健史、清原果耶、加藤雅也、市毛良枝らのキャストで映画化した。監督は「TRIC」シリーズ(02年~14年)、「明日の記憶」(06年)、「20世紀少年 三部作」(08年~09年)、「天空の蜂」(15年)、「人魚の眠る家」(18年)などの数多くのヒット作で知られる堤幸彦。主題歌を森山直太朗が担当した。

■ストーリー

建築士の石川一登(堤真一)と校正の仕事をしている妻の喜代美(石田ゆり子)は、一登がデザインを手掛けた瀟洒な一軒家で、高1の息子・規士(岡田健史)と中3の娘・雅(清原果耶)と4人で暮らしていた。規士はサッカーの試合中にけがをしてサッカー部をやめてから、一登に反抗的な態度をとるようになり無断外泊が多くなっていた。そうしたなか、ある日突然、規士が家に帰らず連絡が途絶えてしまう。翌日、規士の同級生が殺害されたというニュースが流れ、警察が家を訪れ規士が事件に関係している可能性が高いという。さらにもう一人殺されていて、規士は犯人ではないかという噂が広がって家の前にマスコミが連日押しかける騒ぎに発展。はたして規士は殺人犯なのかそれとも被害者なのか、父、母、妹のそれぞれの思いが交錯するなか、事件の真相が明らかになる。

■見どころ

息子は被害者ではないか、殺人を犯すような人間ではないと信じ続ける父親と、殺人犯でもいいからとにかく生きていてほしいと願い、家を訪ねてきた週刊誌の記者(松田翔)に縋るようにして情報を聞こうとする母親。そして名門高校の受験を控える中、勉強どころではなくなる妹のそれぞれの苦悩、葛藤、そして望みが交錯し、捜査の進展と絡んで最後まで緊迫した展開が続く。堤と石田の2人のベテランがマスコミや周囲の無責任な噂や疑惑の目に追い詰められ苦闘しながら、それぞれの思いをぶつけ合うシーンなどで熱演を見せ、エモーショナルなラストを迎える。(2020年10月9日公開)