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映画「大コメ騒動」 井上真央や室井滋らが米騒動に決起する女たちを熱演

(2021年1月10日20:30)

映画「大コメ騒動」 井上真央や室井滋らが米騒動に決起する女たちを熱演
「大コメ騒動」(全国公開中)(©︎2021「大コメ騒動」製作委員会)(配給:ラビットハウス、エレファントハウス)

1918年(大正7年)に富山県の貧しい漁師町で主婦たちが決起した「米騒動」を題材にした笑いあり涙ありの話題作。井上真央(上の写真)、室井滋、夏木マリ、鈴木砂羽、舞羽美海、吹石満、石橋蓮司、木下ほうか、立川志の輔などの多彩なキャストで、「超高速!参勤交代」(2014年)、「空飛ぶタイヤ」(2018年)、「釣りバカ日誌」シリーズ(2011年~13年)、「居眠り磐音」(2019年)などの本木克英監督がメガホンを取った。

■ストーリー

夫の松浦利夫(三浦貴大)が出稼ぎに出て、3人の子供と姑の松浦タキ(夏木マリ)と暮らす松浦いと(井上真央)は、米俵1票を背中に背負って小舟が待つ海岸まで運ぶ仕事をしてその賃金で米を買って生活していた。米俵は外海で待つ貨物船で県外に運ばれ売られていた。小さな漁師町で暮らすタキら“おかか”(女房)たちは、みな同様に米を背負い運ぶ重労働をこなしていたが、米の値段が高騰を続けて米運搬の賃金だけでは買えなくなり不満を募らせていた。主婦たちのリーダー的存在の清んさのおばば(室井滋)とともに米の積み出しを阻止しようとするが失敗に終わる。その騒動が地元の新聞に報道され、さらには大阪の新聞が”女一揆“と書き立てたことから、騒動は全国に広がり、一時はあきらめていたタキらおかかたちはある事故をきっかけに行動に出る。

■みどころ

井上真央や室井滋ら女優たちが真っ黒に日焼けして着古して汚れたた着物で黙々と米俵を背負って歩く姿や、列をなして米屋に行き値上げに抗議する姿は当時の暮らしぶりや主婦らの怒りをうかがわせて迫力がある。米の高騰で毎日一升のご飯を詰めたドカベンを作って夫を漁に送り出していた生活がひっ迫するなか決起するまでの紆余曲折がリアルに描かれている。富山県富山市出身の本木監督が長年温めてきた企画だという。102年前に主婦たちが立ち上がった富山の”米騒動“は日本の女性が初めて起こした市民運動ともいわれるという。また現地に送り込まれた若い新聞記者が主婦らを取材して書いた記事がボツになり、書き直された記事が実際とはかなりかけ離れたセンセーショナルなものになっていたりする問題。有力者が警察を動かし抗議行動を圧殺しようとする問題など、現代に通じる問題も多い。(2021年1月8日公開)