「ナイル殺人事件」名探偵ポアロが謎解きに奔走する王道ミステリー映画

(2022年3月4日21:50)

「ナイル殺人事件」名探偵ポアロが謎解きに奔走する王道ミステリー映画
「ナイル殺人事件」(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)

アガサ・クリスティの1937年の小説「ナイルに死す」を原作にしたサスペンス映画。ナイル川を航行中の豪華客船S.S.カルナック号で新婚の富豪が何者かに殺される。客船に乗っていた世界―の名探偵ポアロが犯人を突き止めるために密室の殺人事件の謎解きに挑戦する。ケネス・プラナーが製作・監督・主演を務め、「ワンダーウーマン」シリーズのガル・ガドット、アーミー・ハマー、エマ・マッキー、レティーシャ・ライト、アネット・ベニングなどのキャスト。ケネス・プラナー主演の2017年の「オリエント急行殺人事件」の続編で、同作のラストでポアロ探偵がナイルで起きた事件の解決を依頼されるシーンがあった。2月25日に公開され週末の動員ランキング(興行通信社調べ)で3位のヒットスタートとなった。

■ストーリー

冒頭で第一次世界大戦中に若きポアロ(ケネス・プラナー)が持ち前の推理で味方の軍隊の作戦を成功に導くが顔を負傷して傷を隠すためにひげを蓄えたという、ポアロのトレードマークの見事な髭の秘密が明かされる。そして本題の物語は、美貌の大富豪リネット・リッジウエイ・ドイル(ガル・ガドット)が友人のジャクリーン・ド・ベルフォール(エマ・マッキー)に紹介された彼女の婚約者サイモン(アーミー・ハマー)を奪うようにして結婚するとこらから始まる。恨みを抱いたジャクリーンは2人に執拗に付きまとう。そうしたなか、リネットは、ポアロの親友ブーク(トム・ベイトマン)、その母親のユーフェミア(アネット・ベニング)、有名なブルース歌手サロメ・オッタボーン(ソフィー・オコネドー)、リネットにプロポーズして断られたことがある医師のウィンドル・シャム(ラッセル・ブランド)、リネットの名付け親で後見人のマリー・ヴァン・スカイラー(ジェニファー・ソンダース)と彼女の看護婦で友人のミセス・パワーズ(ドーン・フレンチ)などを招待してナイル川を遊覧する豪華客船の旅に出る。そしてサイモンとジャクリーンが衝突する中殺人事件が起き、ポアロは乗客の中にいる犯人を突き止めるために奮闘する。

■見どころ

ピラミッドやナイル川、エジプトの遺跡など壮大なエジプトの光景にまずは目を奪われる。そして美貌の富豪リネットをガル・ガドットが華麗に演じている。彼女が演じる「ワンダーウーマン」のように不死身のヒーローではないが魅力たっぷりに悲劇のヒロインを魅力的に演じて新境地を見せている。乗客の一人が犯人を見たと証言して名前を言おうとしたその瞬間にポアロの目の前で射殺されるなど、二転三転して複雑に入り組んだ事件の謎の解明に奔走し、乗客を全員集めて犯人を特定して見せる定番のクライマックスシーンまで、緊迫した展開が続く王道のサスペンス映画になっている。
(2022年2月25日公開)