「劇場版 ねこ物件」猫付きシェアハウスを舞台にした猫愛と新しい家族のドラマ

(2022年8月3日10:15)

「劇場版 ねこ物件」猫付きシェアハウスを舞台にした猫愛と新しい家族のドラマ
「劇場版 ねこ物件」(©「ねこ物件」製作委員会)

「猫付きシェアハウス」を舞台に猫を愛する主人公とその仲間たちの猫によって結ばれた新しい形の家族形成の物語。今年4月から6月にかけてテレビ神奈川やTOKYO MXなどで放送された同名ドラマの映画化で、主人公の二星優斗に古川雄輝のほか細田佳央太、上村海成、本田剛文、松大航也、金子隼也、長井短など注目の若手俳優が共演している。監督・脚本は「ゼニガタ」(2018年)、「ピア~まちをつなぐもの~」(2019年)、「芝公園」(2019年)、「劇場版 おいしい給食Final Battle」(2020年)、「劇場版 おいしい給食 卒業」(2022年5月)などの綾部真弥。
(2022年・日本/94分/制作プロダクション:メディアンド/企画・配給:AGMエンタテイメント/配給協力:REGENTS/製作:「ねこ物件」製作委員会)

「劇場版 ねこ物件」猫付きシェアハウスを舞台にした猫愛と新しい家族のドラマ
「劇場版 ねこ物件」(©「ねこ物件」製作委員会)

■ストーリー

幼い時に両親を亡くし、祖父・幸三(竜雷太)と2匹の猫クロとチャーと暮らしていた二星優斗(古川雄輝)は、祖父が他界したため猫付きシェアハウス「二星ハイツ」を始め、それぞれの夢を持つ4人の仲間が同居していたが、みんな次のステージに向かって巣立っていった。不動産会社の有美(長井短)は4人のその後の活躍を聞かせて、ハウスの再開を勧めるが、優斗は気乗りせず生返事をしていた。だが、祖父が遺した手紙に幼い時に離れ離れになった弟がいることが書かれているのを思い出して、弟を探すために、ハウスの存在を全国に知らせ同居人の募集をする。そうしたなか、かつての同居人の修(細田佳央太)、毅(上村海成)、丈(本田剛文)、ファン(松大航也)の4人がハイツに戻ってきて、優斗をサポートする。そして、入居希望者の面接に加納直人(金子隼也)と名乗る若者が登場し、弟とそっくりの仕草を見せる。果たして探していた弟なのかと優斗の心はときめくが…。

「劇場版 ねこ物件」猫付きシェアハウスを舞台にした猫愛と新しい家族のドラマ
「劇場版 ねこ物件」(©「ねこ物件」製作委員会)

■見どころ

今年の春に放送され話題を呼んだドラマの映画化で、劇場版では優斗が猫付きシェアハウスを始めた本当の理由が明らかにされる。クロ、チャーなどの愛くるしい猫たちと人とのつながりや、優斗と4人の仲間たちの新しい形の「家族」の形成を描いてハートウオーミングな映画になっている。優斗がハウスの同居人を募集するときに「猫に好かれる」ことを条件の1つにするなど猫に寄り添い、猫と人との繋がり方が描かれる。愛情を注がれた猫が人になつきじゃれあう様子は人間と動物の共生の姿であり、ひいては人間同士のつながり方にも通じることをこの映画は教えてくれる。
2013年の主演ドラマ「イタズラなKiss~Love in TOKYO」が日本と中国で配信され大ヒットを記録し、中国版ツイッター、ウェイボーのフォロワーが440万人を超えるという古川が猫を愛する優しい青年を好演。古川はプライベートでも猫を飼っているという。また「ドラゴン桜」(TBS系、2021年)で発達障害の高校生を熱演して注目された細田佳央太をはじめとする若手俳優たちも個性を見せている。不動産会社の有美役の長井短も個性的なキャラクターを演じて存在感を見せている。
安倍元首相の暗殺と自民党を中心にした霊感商法などで知られる反社会的教団・旧統一教会との底知れぬ癒着、ロシア・プーチンのウクライナ侵略戦争、止まらない物価高と上がらない賃金、コロナの感染急拡大など問題山積の状況のなかで、猫を愛する心優しき青年たちの佇まいがすがすがしくて癒しと希望のドラマが繰り広げられる。
(8月5日(金)新宿ピカデリーほか全国公開)