エイドリアン・ブロディ、主演・製作・脚本・音楽「クリーン ある殺し屋の献身」を語る「10年温めていた、と言ってしまっても大げさではない」

(2022年9月20日16:45)

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「クリーン ある殺し屋の献身」(© 2018 A Clean Picture, LLC All Rights Reserved.)(9月16日より全国ロードショー中)

「戦場のピアニスト」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した米俳優エイドリアン・ブロディ(49)が主演・製作・脚本・音楽を担当した「クリーン ある殺し屋の献身」(16日より全国公開中)に込めた想いを語ったオフィシャルインタビューが公開された。

ブロディ演じる主人公は、大型の清掃車で深夜の街を回り、ごみを収集する孤独な清掃員で「クリーン」と呼ばれていたが、その正体は「クリーナー」と呼ばれる凄腕の元殺し屋だった。そして心を通わせた少女が危機に陥った時、男は再び戦いに身を投じるという内容で、「レオン」(1994年)や「タクシードライバー」(1976年)を想わせる、エモーショナルなアクション・ドラマ。

「戦場のピアニスト」(2002年)でアカデミー主演男優賞を受賞したブロディはその後も「キング・コング」(2005年)、「プレデターズ」(2010年)、「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)など数多くの作品で活躍を続け、本作では主演だけではなく製作・脚本・音楽まで手掛け、その多才ぶりを発揮している。共演は「ジョーカー」のグレン・フレシュラー、「パージ:大統領令」のミケルティ・ウィリアムソン。そして著名なラッパー、ヒップホップ・アーティストで、映画監督や俳優としても活躍しているRZAも出演している。監督は、「キラー・ドッグ」(2017年)に続いてブロディとチームを組むポール・ソレット。

ストイックな役作りで有名なブロディは「演じたことのない役だったし、撮影は1月のニューヨークだったからとても寒かった。自分が考える役柄にあった主人公の体形になるよう準備していったよ。ダイエットやトレーニングをしてフィジカルを整えながら、同時に製作進行を行うのはチャレンジだった」と語る。

本作では主演だけでなく製作・脚本・音楽も担当しているが、「撮影はニューヨークで行ったし、クイーンズ出身の自分のバックグラウンドもあるので撮影地にはこだわったよ。まさにニューヨークの映画と言える。あまり裕福ではない町で撮影したんだ。若い世代はいまだ貧困などで苦しんでいるエリアだよ。ニューヨークとはいえ、そういった一面があることも世に知ってほしかったんだ」と撮影地へのこだわりを語った。



作品の雰囲気については「『タクシードライバー』などスコセッシ作品には多大な影響を受けている。チャールズ・ブロンソンの映画を見て育ったから、そういうのも作品製作に影響しているはず」と、影響を受けた作品を明かした。

さらに「10年温めていた、と言ってしまっても大げさではない。製作に向けて、細かく武器(小道具)や詳細なども資料として書き集めていたし、自分の中にも蓄積させていった。資料が大量にあるわけではないが、常にこの企画を温めていたよ」と、本作に対して長年募らせてきた強い想いを語った。

長い年月をかけて構想を練り、入念に製作の下準備を行い撮影されたブロディ渾身のアクション・ドラマになっている。

■ストーリー

名前も分からないその男は、「クリーン」と呼ばれていた。深夜の街で清掃車を走らせごみを収集して回り、廃品や廃屋の修理を趣味にしている寡黙な男。そんな孤独な日々の中、クリーンは隣人のディアンダという少女と心を通わせていた。だがある時、事件が起きてしまう。街を支配している麻薬ギャングたちがディアンダに目をつけ、手を出してきたのだ。ディアンダを救い出すため、クリーンはアジトに乗り込みチンピラたちを半殺しにしてしまう。だがその中に、ギャングのボスであるマイケルの息子がいた。復讐のため、マイケルは組織を総動員してクリーンを追う。警察もギャングに加担しており、もはや逃げ場はない。クリーンはディアンダを護るため再び銃をとり、たった1人で反撃を挑んでゆく。