「LAMB/ラム」ノオミ・ラパスが“禁断の愛”を熱演のネイチャー・スリラー

(2022年9月24日12:00)

「LAMB/ラム」ノオミ・ラパスが“禁断の愛”を熱演のネイチャー・スリラー
「LAMB/ラム」(全国公開中)(©︎2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST,CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON)(配給:クロックワークス)(提供:クロックワークス オディティ・ピクチャーズ)(宣伝:スキップ)

アイスランドの人里離れた田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から生まれた「羊ではない何か」を自分たちの子供として育てていく禁断のネイチャースリラー。「ミレニアム」シリーズや「プロメテウス」などで知られるスウェーデン女優ノオミ・ラパスが主演・製作総指揮を務めた。「ミッドサマー」「ヘレディタリー/継承」「スイス・アーミー・マン」などを手掛け、話題作を製作している気鋭の製作・配給会社「A24」が北米配給権を獲得し、第74回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で「Prize of Originarity」を受賞した異色の話題作。
監督はアイスランド出身で、「父親たちの星条旗」(2,006年)、「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(2012年)、「ローグワン/スターウォーズ・ストーリー」(2026年)など数々の映画やテレビシリーズで美術、特殊効果、技術部門を担当し、20年以上アイスランド映画界で活躍し、本作が長編デビューとなったヴァルディミール・ヨハンソン。
2021年/アイスランド・スウェーデン・ポーランド/カラー/シネスコ/アイスランド語/原題:LAMB/106分/R15+ 配給:クロックワークス、提供:クロックワークスオディティ・ピクチャーズ宣伝:スキップ

「LAMB/ラム」ノオミ・ラパスが“禁断の愛”を熱演のネイチャー・スリラー
「LAMB/ラム」(©︎2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST,CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON)



■ストーリー
<>br> アイスランドの大自然に囲まれた山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァル(ヒルミル・スナイル・グズナソン)とマリア(ノオミ・ラパス)はある日、羊の出産に立ち会うと、羊ではない異形の赤ん坊が産まれてくる。子供を亡くしていた二人は、アダと名付けてその子を育てることにする。アダは夫婦の愛情を受けながら成長して、言葉も分かるようになり、夫婦に大きな幸せをもたらす。だが、産みの母親の羊が子供を取り戻そうと家の前で鳴き続けるようになる。マリアはせっかくつかんだ幸せを手放したくなく、ついにはライフルを手にしてしまう。静けさが戻る中07、イングヴァルの弟のペートル(ビョルン・フリーヌル・ハラルドン)がやってきて、アダの姿に困惑し、動物だとマリアを諭すが、やがてペートルも叔父と姪のようにアダと仲良くなっていった。弟が帰った後、幸福な”3人家族“の生活が続くかに見えたが、やがて事態は衝撃的な展開を迎える。

「LAMB/ラム」ノオミ・ラパスが“禁断の愛”を熱演のネイチャー・スリラー
「LAMB/ラム」(©︎2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST,CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON)



■見どころ

羊が産んだ「羊ではない何か」の姿は最初明かされず、次第にその全容が明らかになってくる過程はミステリアスでホラーじみていてかなり不気味だ。そしてその子にアダと名付け愛情を注ぎ、過去に子供を失った喪失感を埋めるようにしてのめりこんでいく主人公をノオミ・ラパスが狂気をはらんでリアルに演じて圧倒的な存在感を見せている。ヴァルディミール・ヨハンソン監督は「今作には特定のものではなく、多くのアイスランドの民話が織り交ぜられています。私たちが作りたかったのは、現実的なストーリーの中に一つの非現実的な要素が存在し、一方で、特にその非現実的な要素に触れることをせずに、他と同様に現実的にしてしまうような物語です」と語っている。ノオミの熱演もあってアダをめぐる禁断のドラマは、アイスランドの大自然を舞台に、民話や寓話、神話といった要素も絡んでリアルで深淵なドラマになっている。 (2022年9月23日公開)