映画「魔女の香水」公開決定記者会見 黒木瞳、桜井日奈子ら登壇

(2022年12 月13日22:15)

映画「魔女の香水」公開決定記者会見 黒木瞳、桜井日奈子ら登壇
菅原智美製作統括、黒木瞳、桜井日奈子、宮武由衣監督=左から(13日、都内)

映画「魔女の香水」(宮武由衣監督)が来年初夏に公開されることが決まり13日、都内で黒木瞳(62)、桜井日奈子(25)、製作統括の菅原智美(52)、宮武監督が記者会見を行った。

会見では、黒木瞳と桜井日奈子が映画の世界を投影した役衣装で登場。黒木瞳は役衣装で登場となるのは、この機会が最初で最後となるという。
後輩へのセクハラ行為をした上司に抗議して職を失う20代の派遣社員(桜井)が、「魔女」と呼ばれる高貴な白髪の香水商(黒木)と出会い、彼女が創る香水の香りによって、自立への道に向かって輝き成長していく物語。2人は2016年の日本テレビ系「そして、誰もいなくなった」以来6年ぶりの共演。宮武監督は「たった一度の歌」(2018年)、「JAZZ爺MENN」(2011年)に続く劇場映画3作目でオリジナル脚本も手掛けた。

■黒木瞳「香りを通して人の可能性や、困難に立ち向かう力、愛する人への思いなどを伝えて導いていく役どころ」

映画「魔女の香水」公開決定記者会見 黒木瞳、桜井日奈子ら登壇
黒木瞳

黒木は「昨日無事に撮影を終えることができてホッとしております」と充実した表情でクランクアップを報告。“魔女さん”と呼ばれるミステリアスな香水商・白石弥生を演じたが「香りを通して人の可能性や、困難に立ち向かう力、愛する人への思いなどを伝えて導いていく役どころ。香水によって人を幸せにすることのできる人物です」とキャラクターを紹介した。

黒木は「NHKの『ファーストラヴ』という作品で監督と初めてお会いしたんですけど、監督の作品に対する情熱が半端なく強くて、出来上がった作品を拝見しましたら本当に繊細で斬新で大胆な作品でしたので、すぐにプロデューサーにお手紙を書いて、素晴らしい監督と出会って嬉しかったですと。そこから出会いが始まったんです」という。
「そんな宮武監督から女性の背中を押すような映画を作りたいとのお話をいただき、お声がけいただけたことに感謝するとともに、一緒に撮影できたことが嬉しいです。作品完成を楽しみにしています」と全幅の信頼を寄せていた。

■宮武監督「黒木さんは年齢を重ねても美しく、表現も素晴らしく女性としての憧れの存在」

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宮武由衣監督

宮武監督は黒木について「一番尊敬できる人生の恩人」と表し「黒木さんは年齢を重ねても美しく、表現も素晴らしく女性としての憧れの存在です。この映画は生き方に迷う女性の指針にしたいと思いました。そして黒木さんを圧倒的なインパクトで登場させたいとも思いました。白石弥生というキャラクターは黒木さんをイメージした当て書きです」という。
黒木は白髪というビジュアルについて「白髪というのが今回の役柄の条件だったので、監督の中でのイメージがわかりやすく理解できました」としっくりきているようだった。

■桜井日奈子「今まで演じたことのない挑戦的な役柄でした」

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桜井日奈子

弥生と香りの世界に興味を持つ若林恵麻を演じた桜井日奈子は「昨日まで撮影をしていたので、今朝も撮影に行ってしまいそうなくらい早く目が覚めました」と照れ笑いを浮かべながら「クランクアップの時に宮武監督と握手をさせていただいたときにフワッと溢れるものがありました。それだけこの作品に対する熱い想いがありました」と本作への気合いを伺わせた。
撮影については「恵麻として23歳から30歳までの7年間を描いていて、今まで演じたことのない挑戦的な役柄でした。宮武監督はカットがかかるごとに『素晴らしかった!』と仰ってくれて、ムズ痒いときもあったけれど、安心してお芝居に集中することができました」と回想。
連続ドラマデビュー作「そして、誰もいなくなった」で黒木とは共演済の桜井だが、しっかりと演技を交わしたのは本作が初めて。桜井は黒木について「刺激をいただきました。リハーサルの段階からヒシヒシと弥生さんから伝わってくるものがあって、いい意味で刺激されて(笑)。感情を揺さぶられて、一緒にお芝居をやらせていただいて楽しかったです」と感慨無量。
すると黒木は「私も日奈子ちゃんのお芝居の豊かさから刺激を受けて助けられました」と告げて、桜井は「本当に嬉しい!」と感激していた。

■菅原智美製作統括「セリフ一つ一つに働く女性のバイブルとなるような言葉を敷き詰めており…」

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菅原智美製作統括

製作統括の菅原は「セリフ一つ一つに働く女性のバイブルとなるような言葉を敷き詰めており、働いている方が観ると共感するストーリーになっています。夢と希望と勇気を与えて、笑えて感動して泣けるようなシーンも沢山あるので、日本はもとより世界にも発信していきたいです」とワールドワイドな広がりにも期待をかけていた。

また香水をテーマにした作品の内容にちなんで「忘れられない香りのエピソード」を聞かれた黒木は「私が一番好きな匂いは体育倉庫の匂い。コンクリートみたいなあの匂いが個人的には好き」とジョークを効かせて「宝塚時代につけていたイヴ・サンローランのリヴゴーシュの匂いを嗅ぐと宝塚時代を思い出します。退団後は別の香水をつけていたのですがそれも廃盤になりヴィンテージになったので、この作品を機会に次の新しい香りを選びたいです」と打ち明けた。
一方、学生時代にバスケに熱中していたという桜井は「私は履き潰したバッシュの匂いを思い出します。しかも兄弟のお下がりだったので匂いも人一倍凄かったというか...。鮮明に思い出します。臭くはないけれど、熱のこもったジメッとした感じです」と赤裸々に語り、黒木を爆笑させていた。

さらに「魔女」と「魔法」に話が及び、記者から「どういうときに魔女っぽいと感じるか」と質問されて黒木は「寒くなってまいりましたので、夫の足を湯たんぽ代わりにしているときは魔女っぽいかな」と言って笑わせた。
また「香りで魔法をかけるならどんな香りを使いたいか」と記者から聞かれて、「どんな魔法をかけられたいか」と逆質問。「女性にもてたい」というと、「じゃあ、ヘリオトロープですね。ヘリオトロープという香水の香料を使いまして、それを差し上げます。甘くて、愛の薬草ともいわれている香料で、甘いバニラのようなベビーパウダーのような、それをお使いになったら、きっと女性にもてること間違いないです」と断言して会見場を爆笑させた。

最後に4人がそれぞれ映画をアピールした。
菅原智美・製作統括は「女性に応援メッセージを贈るという趣旨で作られた映画ではありますけれど、もちろん男性の方にも観ていただきたくて、観ることによって心が奮い立たされ、生きている意味も感じさせるとても深い映画になっていますので、ぜひたくさんの方に観ていただき応援して頂きたいと思っています」と語った。。

  桜井は「私は弥生さん(黒木の役)から香水の香りの力によって自分の人生を切り開いてゆくという役を演じましたけど、香りの力だけでなく弥生さんの言葉によっても自分の人生を切り開くヒントをたくさん作品の中でもらったんですね。だから観る方にはぜひ弥生さんからの言葉についても観ていただきたいなと思います」とアピールした。

黒木は「香水の力によって皆さんを幸せにできる映画だと思いますので、作品をご覧になったらきっと香水が欲しくなる。女性に限らず男性も欲しくなるような映画だと思います。ですのですので香りの力を通じて希望を持って、女にもてたいという方もぜひ香水の力を信じて映画をご覧になっていただけたらと思います」と語った。

そして宮武監督は「本当に黒木さんと桜井さんの2人の演技が素晴らくて、その生き様に励まされる映画になっていると思います。期待した通り魔女さんのミステリアスな表情、それから繊細な表現、そして櫻井さんの成長していく姿。本当にこの2人の素晴らしい演技を無駄にしないようにしたいと思っています。この映画を信じてくださった方に幸せになるとか、可能性を引き出せるような、そんな魔法をかけられる映画に仕上げられるように頑張っていきたいと思います」と締めくくった。

映画「魔女の香水」公開決定記者会見 黒木瞳、桜井日奈子ら登壇
「魔女の香り」(2023年初夏 TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー)(配給:アークエンタテインメント)(©映画『魔女の香水』製作委員会)
映画「魔女の香水」公開決定記者会見 黒木瞳、桜井日奈子ら登壇
「魔女の香り」(2023年初夏 TOHOシネマズ日比谷 他全国ロードショー)(配給:アークエンタテインメント)(©映画『魔女の香水』製作委員会)

【Story】
白髪の美しく高貴な上品さを漂わせる女性・白石弥生(黒木瞳)が香水店で2つの香水を見せながら常連客を相手に語っている「世の中には似て非なるものがたくさんある」。一方、華やかなセレブ達が集まっているバンケットホールで派遣社員として奮闘する若林恵麻(桜井日奈子)。高卒の恵麻は、いつか正社員になって、一流の仕事を与えられることを目標に頑張る彼女は、後輩の見習い女性へのセクハラ行為を上司に抗議いたことで職を失ってしまう。自暴自棄になった恵麻は、声を掛けられた夜の街のスカウトマンに連れられ弥生の店を訪れることに。その店で出会った「魔女さん」と呼ばれる弥生と香りの世界に興味を持った恵麻は、弥生に誘われるまま店で働くことになった――。