映画「赦し」の予告編公開 尚玄、MEGUMI、松浦りょうが迫真の裁判劇 

(2023年2月2日17:40)

映画「赦し」の予告編公開 尚玄、MEGUMI、松浦りょうが迫真の裁判劇
「赦し」(©2022 December Production Committee. All rights reserved)

娘を殺された元夫婦と、犯行時に未成年だった加害者の女性の癒やしようのない苦しみや葛藤、魂の救済、赦しという深遠なテーマに真っ向から挑んだ問題作「癒し」(3月18日公開)の予告編映像と場面カットがこのほど公開された。

7年前に高校生だった娘の恵未をクラスメートに殺害されて以来、酒に溺れ現実逃避を重ねてきた樋口克(尚玄)のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者の福田夏奈(松浦りょう)に再審の機会が与えられたというのだ。大切なひとり娘の命を奪った夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子(MEGUMI)とともに法廷に赴く。しかし夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ克と、つらい過去に見切りをつけたい澄子の感情はすれ違っていく。やがて法廷では夏奈の口から彼女が殺人に至ったショッキングな動機が明かされ、澄子は裁判から身を退くが、復讐の殺意に駆られた克はある行動を起こす…という内容。


日本在住の気鋭のインド人監督アンシュル・チョウハンの最新作で、法廷の内外での激しくも揺れ動く3人を尚玄、MEGUMI、松浦りょうが迫真の演技を見せている。  チョウハン監督は、長編1作目の「東京不穏詩」(2018年)がベルギーのブリュッセル・インデペンデント映画祭で最優秀賞を受賞。2作目の「コントラ」(2019年)が、エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリ、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで第1回大林賞を受賞したインド出身の気鋭監督。国内外で注目度が高まっている監督が、これまでの作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口を披露した「赦し」は本格的な裁判劇でもある。法廷における裁判官、弁護士、検察官、証人のやりとりを臨場感たっぷりに描出し、スリリングな展開と、登場人物たちが抱く不安、迷い、痛みをシンクロさせた濃密な映像世界が展開されている。

映画「赦し」の予告編公開 尚玄、MEGUMI、松浦りょうが迫真の裁判劇
「赦し」(©2022 December Production Committee. All rights reserved)

 最愛の娘を殺されて怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサと組んだ主演作「義足のボクサー GENSAN PUNCH」(2022年)などの映画や舞台、ドラマで活躍する尚玄。元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した「台風家族」「ひとよ」などで多彩なキャラクターを演じてきたMEGUMI。深い喪失感を共有しながら、対照的なベクトルで裁判の成り行きを見つめる元夫婦の複雑な思いを表現。さらに、澄子の現在の夫を演じるオリエンタルラジオの藤森慎吾、裁判長役で真矢ミキがドラマに厚みを与えている。そして、映画デビュー作「渇き。」などで注目の松浦りょうが本作のカギを握る夏奈役で独特な存在感を見せ熱演している。

映画「赦し」の予告編公開 尚玄、MEGUMI、松浦りょうが迫真の裁判劇
「赦し」(©2022 December Production Committee. All rights reserved)

【STORY】かつて17歳の少女だった夏奈(松浦りょう)は、同級生の少女を殺害した。あれから7年、20年の刑を受けた夏奈に再審の機会が与えられ、釈放される可能性があると連絡を受けた被害者の父・克(尚玄)と、別れた元妻・澄子(MEGUMI)。二人はともに法廷に赴き裁判の経過を見守ることになるが…。当時の裁判では殺害にいたる経緯を話すことなく、検察の請求のままに刑が確定した夏奈。再審請求は、被害者の親二人の心を大きく揺さぶっていく。7年が経っても決して薄れることのない彼女への怒りと憎しみは、周りを巻き込みながら大きく変転をしていくのだった。加害者の夏奈だけではなく、まるで囚人のように「娘を殺されたこと」への怒りから逃れることのできない、かつての親たち。そこから人はどうやって一歩進んでいくのか?

2022年/日本/日本語/カラー//98分/原題(英語題):DECEMBER/助成:文化庁/製作プロダクション:KOWATANDA FILMS、YAMAN FILMS/配給:彩プロ
 (3月18日(土)より、ユーロスペース, アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開)