倍賞千恵子、イタリアの第25回ウディネ・ファーイースト映画祭で生涯功労賞受賞

(2023年4月27日17:00)

倍賞千恵子、イタリアの第25回ウディネ・ファーイースト映画祭で生涯功労賞受賞
障害功労賞を受賞した倍賞千恵子

映画「PLAN 75」に主演した倍賞千恵子(81)が26日夜(現地時間)、イタリアの第25回ウディネ・ファーイースト映画祭でゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を授与され、授賞式に登壇した。

同映画祭は、ヨーロッパ各国からアジア映画ファンが集まる、世界最大のアジア映画イベント。過去には、2015年に音楽家・久石譲、2016年に映画監督・大林宜彦、そして昨年には映画監督・北野武が同賞を授与されており、日本人女優としては倍賞が初の栄誉に輝いた。

倍賞は授賞式で「私が60年ちょっと映画に携わってきたことを、遠くの国の皆さんが見ていてくださったことが何よりも嬉しかったです。ウディネ・ファーイースト映画祭は25周年。私の歳を超えるまで、ずっと続けてくださいね。皆さん、本当にありがとうございました!!」と喜びを語った。

そして、感謝の気持ちを込めて「PLAN 75」の劇中でも歌っている「林檎の樹の下で」を披露すると、感動で涙する観客も。会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

倍賞千恵子、イタリアの第25回ウディネ・ファーイースト映画祭で生涯功労賞受賞
「PLAN 75」の倍賞千恵子(配給:ハピネットファントム・スタジオ)(©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee)

「PLAN 75」(早川千絵監督)は75歳以上の高齢者に安楽死する権利「プラン75」が認められた架空の現代を舞台に、78歳の主人公角谷ミチ(倍賞)がプラン75を申請したことから起きるドラマを描いている。2022年6月に公開され、第75回書ぬ国際映画祭で早川監督が新人監督賞のカメラ・ドールを受賞。第65回ブルーリボン賞の監督賞、倍賞が主演女優賞を受賞するなど、数多くの賞を受賞した。

倍賞は1954年、ポリドールから「ヒバリの赤ちゃん」で歌手デビュー。1960年に松竹歌劇団に入団。1961年、松竹映画にスカウトされ、歌劇団を退団し、「班女」(中村登監督)で映画デビュー。1963年、山田洋次監督の「下町の太陽」に主演。同名主題歌とともにヒット。第4回レコード大賞新人賞を受賞し、NHK紅白歌合戦にも4年連続で出場。映画「男はつらいよ」シリーズで渥美清演じる車寅次郎の妹さくら役で人気を不動にした。「家族」(70年)、「故郷」(72年)や、高倉健と共演した「幸福の黄色いハンカチ」(77年)、「駅 STATION」(81年)などの数多くの映画やドラマに出演している。