ヒナコ・シブノはセベ・バレステロスの出現の衝撃を思い起こさせる―英BBC

(2019年8月6日)

渋野日向子
 (渋野をセベ出現のインパクトに例えた英BBC)

全英女子オープンを制して樋口久子以来男女通して42年ぶりにメジャー優勝を果たした渋野日向子(20)は、世界でも「スマイル・シンデレラ」と一躍スターになったが、開催国イギリスのBBC(電子版)は、「セベ・バレステロスを思い起こさせる」とセベの愛称で親しまれた伝説のゴルファーの出現の衝撃に例えた。

英ミルトンキーンズ・ウォバーンGCで開催された全英女子オープンの最終日(4日)、18番ホールで約5メートルのバーディパットをねじ込んで、17アンダーのサラス(米国)を下して優勝を決めた渋野は、まさにシンデレラストーリーのように世界的スターになった。

「最後も強気で、壁ドンで入ったんで、やり切ったと思いました」と語った渋野。18番ホールの壁にドンと当たってカップインした超強気のパットは、まさに渋野の全英女子オープンの驚異的なプレーの集大成のような劇的なウイニングパットになり、トレードマークのはじける笑顔と共に強烈なインパクトを世界に与えた。

英BBCのゴルフ特派員レイン・カーター氏は「ヒナコ・シブノのインパクトはセベ・バレステロスを思い起こさせた」と伝説のゴルファー、19歳のセベがゴルフ界に大旋風を巻き起こした1976年の活躍に例えた。

セベリアーノ(セベ)・バレステロス(1957年~2011年)はスペインの英雄的ゴルファーで、1976年7月、19歳のときの全英オープンで、ジョニー・ミラーに優勝を譲ったものの”帝王”ジャック・ニクラウスと並ぶ2位で強烈なインパクトを与えた。セベはダッチ・オープン(オランダ)で優勝し、その年のヨーロッパの賞金王に輝いた。

1979年の全英オープン最終日に、芝がない駐車場に大きく曲げながら、ベアグランドから攻めてバーディーを奪って優勝して伝説になった。この時を含めて全英オープンを3度制覇。マスターズでも80年、83年と2度優勝するなどジャック・ニクラウス、トム・ワトソンといった米国の最強ゴルファーに対抗する欧州のカリスマとして活躍。強気なパット、華麗なスィングと情熱的、攻撃的なプレーでファンを魅了した。

カーター氏は「シブノの本当のゴルフのポテンシャルを評価するのは早すぎるが、彼女は並外れているし観客を引き付ける。人々は彼女のプレーを世界中で見たいし、彼女のプレーを見て何かを返してもらえることを知ってることは確かだ」と指摘した。

”スマイル・シンデレラ“は”女セベ“へとさらに進化を遂げるのか今後の活躍に目が離せない。