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力士・勝武士28歳のコロナ死 米メディアも報道「本当に悲しい話だ」

(2020年5月14日)

力士・勝武士28歳のコロナ死 米メディアも報道「複数の病院から追い返された」
(勝武士のコロナ死を報じる米「TMZ」)

高田川部屋の三段目力士・勝武士さんが13日未明、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で28歳の若さで急死したニュースは海外でも報じられた。米メディアは勝武士さんが当初受け先の病院が見つからなかったことを「本当に悲しい話だ」などと伝えた。

米芸能サイト「TMZ」は「スモウレスラー・ショウブシわずか28歳でCOVID-19(コロナウイルス)で死亡」とのタイトルで報じた。

「28歳のスモウ・レスラーが水曜日、コロナウイルスと闘った後に死亡したことを、日本相撲協会が確認した」との書き出しで、勝武士さん(本名・末武清孝)は2007年にプロデビュー(同年春場所で初土俵)したことを紹介し「本当に悲しい話である。勝武士さんは4月4日に発熱を含む症状が始まったが、複数の病院から追い返された」と受け入れ先病院がなかなか見つからなかったことを報じた。

勝武士さんは症状が悪化したため、最終的に4月8日に入院し、4月10日に(PCR検査で)コロナウイルスの陽性反応を示したが、そこから悪化の一途をたどった。4月19日、ICU(集中治療室)に移され、水曜日に多臓器不全から死亡したと伝えた。

日本相撲協会の八角理事長が声明で「1か月以上の闘病生活はただただ苦しかったと思いますが、力士らしく病気と粘り強く闘ってくれました」などと追悼したことを伝えた。

■勝武士のコロナ闘病経過

4月4、5日に38度台の発熱があったが、受け入れ先の医療機関が見つからなかったという。
4月8日、熱が下がらず、血痰がみられたため救急車を呼んだが、なかなか受け入れ先が決まらず、夜に都内の大学病院に入院。コロナの簡易検査の結果は陰性だったという。
4月9日、症状が悪化し、別の病院に転院。
4月10日、PCR検査で陽性と判定。
4月19日、症状が悪化して集中治療室で治療。
5月13日午前0時30分、都内の病院で死去。

■糖尿病との関係を指摘する専門家も

勝武士さんは9日、症状が悪化して別の病院に転院したとき気管支切開などの処置がとられたという。症状が急激に悪化したとみられる。勝武士が糖尿病を患っていたとも報じられた。「カロリーの高いちゃんこをたくさん食べて体格を保つ力士にとって糖尿病は職業病ともいわれている。糖尿病が原因で免疫能力が落ちてウイルスに感染すると重症化しやすいという医療関係の専門家の指摘もある」(相撲関係者)

■勝武士幹士(しょうぶし・かんじ)

本名・末武清孝。1991年1月4日、山梨県甲府市生まれ。山梨・竜王中では柔道部に所属。中学卒業後に高田川部屋に入門。2007年春場所で初土俵を踏む。最高位は東三段目11枚目。巡業で相撲の禁じ手をユーモラスに演じる「初っ切り」で相撲ファンに人気があった。165㌢、107㌔。