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ジョージ・フロイドさん窒息死事件で4人の元警官を第二級殺人罪などで訴追

(2020年6月4日)

ジョージ・フロイドさん窒息死事件で4人の元警官を第二級殺人罪などで訴追
(3人の訴追を報じる米ニューヨーク・ポスト電子版)

米ミネソタ州ミネアポリスで5月25日(現地時間)、黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が白人警官にひざで首を押さえつけられ窒息死した事件で3日(現地時間)、現場にいた残りの3人の元警官が第二級殺人ほう助罪などで訴追された。また先に訴追されたデレク・ショーヴィン被告(44)は第三級殺人罪からより重い第二級殺人罪に引き上げられた。一方抗議デモは全米から世界に広がり緊迫した状況が続いている。

米紙ニューヨーク・ポスト(電子版)によると、新たに訴追されたのはトーマス・レーン、J・アレクサンダー・クエン、トウ・サオの3被告で、第二級殺人ほう助罪などに問われた。3人はミネソタ州へネピン郡の刑務所に収監され、ミネソタ州の司法当局は、オレンジ色の囚人服を着た3人の顔写真を公開した。3人の保釈金は100万ドル(約1億80万円)に設定された。

ジョージ・フロイドさん窒息死事件で4人の元警官を第二級殺人罪などで訴追
(デレク・ショーヴィン被告)

さらに、当局は5月29日(現地時間)に逮捕・訴追された元警官デレク・ショーヴィンに対する罪状を第三級殺人罪から第二級殺人に引き上げた。第三級殺人罪は有罪なら最高25年の禁固刑が科せられるが、第二級殺人罪は最高40年の禁固刑だという。訴追後に訴追内容をより重く変更するのは異例で、「#JusticeforGeorgeFloyd」(ジョージ・フロイドさんに正義を)の抗議デモが全米に拡大し、2日(現地時間)の火曜日に、人種差別に抗議して黒一色の画面をSNSに投稿する「#BlackoutTuseday」(ブラックアウト・チューズデー)運動がセレブの間にも広がるなど「#BlaclLivesMatter」(黒人の命も大切)の人種差別撤廃の運動が拡大したことが”変革“をもたらしたとみられる。

同事件ではフロイドさんが偽札の20ドル札を使ったとして逮捕する際に、ショーヴィン被告がフロイドさんを地面に押し付けひざで首を押さえつけ、フロイドさんが苦痛で顔を歪め「息ができない」「立たせてください」と懇願するのを無視して8分46秒間にわたり続けて死亡させた。検視により死因は首を圧迫されたことによる窒息死と断定された。ほかの3人の警官もフロイドさんの足を押さえたり、サオ被告はやめさせようとする通行人の前に立ちふさがり制止するなどしているのがビデオに映っていた。

■人種差別に抗議するデモが世界に拡大

ジョージ・フロイドさん窒息死事件をきっかけに全米に拡大した抗議デモはヨーロッパなど世界に広がった。2日(現地時間)、「スター・ウォーズ」シリーズで知られる英俳優ジョン・ボイエガ(28)はロンドンのハイドパークで行われた数千人の抗議デモでスピーチして「このクソ(人種差別)がどれだけ苦痛をもたらしているかわかってほしい。人種が何の意味もないことを毎日思い出すために。私は心の底から話しています」などと訴えたという。

2日(現地時間)、パリでは約1万5000人が抗議デモに参加、一部で暴徒化し警官隊がデモ隊に催涙ガスを発射するなど対抗したが大半は平和的なデモだったという。さらにはアイルランドのダブリンやカナダのトロント、ドイツのベルリン、ニュージーランドのシドニー、オランダ、ブラジル、イランやシリア、メキシコシティなどでも抗議のデモが行われたという。ダブリンのデモの主催者は「私たちがここにいるのは、米国で発生している警察の手によって毎日黒人の命の失われている不正について講義するためです」と米国の抗議デモへの連帯を表明。そして「米国だけの問題ではありません。人種差別は世界的な問題です」と語った。