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F1王者ルイス・ハミルトンがサーキットで「ブレオナ・テイラーさんに正義を」

(2020年9月14日12:30)

自動車のF1第9戦、トスカーナGPで13日(現地時間)、優勝したルイス・ハミルトン(35=英国)が、就寝中に警官に射殺された黒人女性ブレオナ・テイラーさん(当時26)の事件に抗議して「ブレオナ・テイラーを殺した警官を逮捕せよ」などと書いたTシャツを着てサーキットで人種差別に抗議した。テニスの全米OPを制した大坂オミと同様に“F1王者”も人種差別の抗議する声を上げた。

米サイト「TMZ」によると、イギリスのレーシングスター、ルイス・ハミルトンはイタリアのトスカーナGPで優勝を飾り、今季6勝、通算90勝目を記録した。個人優勝6回を誇るハミルトンはこの日、自分の思いを明らかにした。ブレオナ・テイラーを殺した警官に正義の裁きを下すことを訴えた。

大坂なおみがマスクに名前を入れたブレオナ・テイラーさんとは
(ブレオナ・テイラーさん=インスタグラムから)

ハミルトンは黒のTシャツを着ており、前面には「Breonna Taylorを殺した警官を逮捕せよ」の文字が。背中にはブレオナさんの顔写真とともに「Say her name」(彼女の名前を言おう)と書かれていた。ハミルトンはその写真をインスタグラムに投稿して「ブリオナ・テイラーが彼女の自宅で警察官に殺害されてから6か月が経ちました。未だに正義はなされていません。私たちは黙っていません。#JusticeForBreonnaTaylor」と訴えた。

ブレオナ・テイラーさんは、大坂ナオミが全米オープンの1回戦でマスクに名前を記入したケンタッキー州ルイビルの黒人女性の救急医療従事者。2020年3月13日、ボーイフレンドのエイドリアン・ウォーカーさんとベッドで就寝していたときに私服警官3人が家に入ってきたため、ウォーカーさんは侵入者だと思って先に発砲。銃の所持免許を持っていたという。警官は20発以上発砲し、8発がテイラーさんに当たり死亡した。警官の主なターゲットは麻薬を販売していた2人の男性で、そのうちの1人がテイラーさんのアパートで麻薬を受け取った疑いがあるとして捜索令状を取っていたが、ノックをせず踏み込んだ。麻薬は発見されなかったという。テイラーさんの家族は「人命の価値を全く無視して発砲した」として「不法な死」で警察を提訴した。テイラーさんの死をめぐっては全米で抗議行動が起きて海外にも広がった。

ハミルトンは最近、イギリスでの人種差別について語っていた。また、白人男性が支配するスポーツの中で黒人であることについても語っている。彼は、「僕は白人が支配するスポーツの中にいて、例えば多様性がほとんどないんだ。アメリカで起こったすべてのことで、本当に多くの感情が湧き上がってきた」と語った。そして「多くの人が米国でしか起きていないと思っている。確かに米国では警察の残虐行為が起きてますが、人種差別は世界中にあります」と訴えた。