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米誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に大坂ナオミと伊藤詩織さん
(2020年9月23日22:00)
米誌「タイム」は22日(現地時間)、毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表し、日本人からは2年ぶり2度目の優勝をはたした全米OPで、黒人の被害者の名前を記したマスクをして人種差別に抗議した大坂ナオミと、自身の性的被害を実名で告発して日本の「#MeToo」を後押ししたとしてジャーナリストの伊藤詩織さんを選んだ。
NHKのNESWEBによると、全米OPを2年ぶり2度目の優勝を果たした大坂は「象徴」の部門で選ばれた。昨年に続いて2度目の選出となった。マスクに黒人の被害者7人の名前を記して試合に臨み、人種差別に抗議の意思を示したことに対して、紹介文を寄せたバスケットボールの米女子プロリーグMNBAのマヤ・ムーア選手は「勇気を持ち,みずからの行動を信じてなしとげるのは簡単なことではない。彼女は声をあげ、黒人やマイノリティの人たちの命の尊さを示した」と称賛したという。
伊藤詩織さんは、性的暴行の被害を実名で訴え、日本の女性に変化をもたらしたとして、「開拓者」部門で選ばれた。
伊藤さんはインスタグラムで「これは私だけに向けられたものではなく、同じように生きている人々への受賞です。私たちは堂々と生きていいんだよ、辛い過去と生きていたって、笑顔で道を歩いていいんだ、というエールだと思います」などとコメントした。
伊藤詩織さんは元TBSワシントン支局長の山口敬之から性的暴行を受けたとして刑事告発したが不起訴となり、その後1100万円の損害賠償を請求して民事で提訴。2019年12月18日、東京地裁は「合意のないまま性交した」と認定して山口氏に330万円の支払いを命じた。この裁判は海外でも注目されていたが「#MeToo運動のシンボル」(英BBC)、「日本の#MeToo運動のシンボルが勝訴」(CNN)と報じるなど、米国から世界に広がる「#MeToo運動」と結び付けて報道じた。さらには日本のレイプ被害者のうち警察に被害届を出したのは4%に過ぎない問題などを指摘した。山口氏は「一方的に伊藤さんのいう事を事実と認定した」「法に触れることは一切していない」などとして控訴した。