黒人男性ダンテ・ライトさん射殺事件　過失致死で訴追された元警官 保釈金10万ドルで刑務所から保釈

米ミネソタ州ミネアポリス近郊のブルックリンセンターで11日（現地時間）、黒人男性ダンテ・ライトさん（20）が警官キム・ポッター被告に射殺された事件で、事件後辞職し過失致死で起訴された同被告は14日（現地時間）、10万ドル（約1０９０万円）の保釈金を納入して刑務所から釈放された。ミネアポリスでは昨年黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を膝で押さえつけられて死亡した事件が起きており、市民の怒りが高まり抗議デモが起き一部が暴徒化るなど緊迫している。

米さいと「TMZ」によると、同日午後4:52 （現地時間）、ポッター被告は10万ドルの保釈金を支払い、ヘネピン郡の拘置所から保釈された。検察はライトさんの銃殺事件の第2級過失致死罪で元警官ポッターを起訴した。告訴状によると、ポッターは右手でグロック9mm拳銃を取り出し、スタンガンの一種のテーザー銃を使うと言いながらライトに向けた。ポッターは「テーザー銃、テーザー銃、テーザー銃」と言いながら拳銃の引き金を引き、ライトさんの左脇腹に致命的な1発を発射したとされる。ミネソタ州犯罪捜査局の捜査官がポッターの職務用ベルトを調べたところ、彼女の拳銃はベルトの右側のホルスターに収められており、テーザー銃はベルトの左側のホルスターにあったため、彼女は左手でホルスターからテーザー銃を引き出さなければならないことがわかったという。ポッターのボディカムの映像では、彼女が拳銃を構えながら「テーザー銃」と叫びながら拳銃で致命的な1発を発射しているのが映っていたという。また、ポッターが「S***, I just shot him.」（クソ、撃ってしまった）と言っているのが聞こえるという。

ポッターらは交通違反でライトさんの車を停車させたさい、ライトさんに武器の不法所持容疑で逮捕状が出ていたことが分かり、拘束しようとして抵抗されてテーザー銃と間違って至近距離で拳銃を発砲して左わき腹に命中して死亡させたとされる。
ポッターは13日（現地時間）に警察を辞職した。マイク・エリオット市長、レジー・エドワーズ市政代行、そして後に辞任したティム・ギャノン警察署長に宛てた手紙の中で、ポッターは「私は警察官であることを愛し、このコミュニティに精一杯奉仕してきました。しかし、私が直ちに辞職することが、コミュニティ、警察、そして仲間の警察官にとって最善であると信じています」と述べていたという。

ライトさんの遺族は弁護士を雇い13日（現地時間）に記者会見して涙を流して正義を求めた。ミネアポリスでは昨年5月に黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を膝で押さえつけられ窒息死する事件があり全米に人種差別に抗議する「＃BlackLivesMatter」（黒人の命も大切だ）のデモが広がった。それだけに再び起きた黒人男性の不当な射殺事件に市民の怒りが高まりデモが起き一部が暴徒化するなど緊迫している。