-
ハリウッド特急便
ジョージ・フロイドさん殺害事件で元警官デレク・ショーヴィン被告に有罪評決
(2021年4月21日12:45)
昨年5月黒人男性ジョージ・フロイドさん(当時46)が白人警官デレク・ショーヴィン被告(45)に膝で首を押さえつけられ窒息死した事件の裁判で20日(現地時間)、陪審員はフロイドさん殺害の3つの罪すべてでデレク・ショーヴィン被告(45)に有罪の評決を下した。
米誌「Peopule」(電子版)によると、ミネソタ州の裁判所で行われた裁判で、陪審員は元警官ショーヴィン被告が訴追された第2級殺人、第3級殺人、第2級過失致死の罪に対してすべて有罪を認めた。ショーヴィン被告は手錠をかけられてそのまま刑務所に移送された。8週間後に量刑が言い渡されるという。第2級殺人の最高刑は禁錮40年、第3級殺人が禁錮25年、第2級過失致死が禁固10年だという。
フロイドさんは偽造紙幣20ドルを使使用した容疑でミネアポリスで拘束されたさいにショーヴィン被告に両手を後ろに手錠をかけられ地面に倒され約9分間首を膝で押さえつけられ「息ができない」といいながら窒息死した。その時の様子を映した動画がネット上に拡散し、人種差別に抗議する「#BlackLivesMatter」(黒人の命も大切だ)のデモが全米に拡大し一部が暴徒化するなど波紋が広がった。
12人の陪審員団は男性5人、女性7人で、人種別では白人6人、黒人4人、混血と名乗った2人で構成されていたという。
裁判で救急救命士のジュヌヴィエーブ・ハンセンは、フロイドさんを助けるよう要請したときショーヴィン被告が重要ではないとして退けたと証言した。もう一人の目撃者、ジョージ・マクミリアン(61)は、救急隊員がフロイドさんの遺体をその場から搬送した後に、フロイドさんの拘束方法が正しくないとショーヴィン被告にいうと、彼は「それは一人の個人の意見だ。彼は大きな男だから、我々は力を入れなければならない。この男を制御する必要がる。彼はおそらく何か(薬物を)やっているようだ」といったと、涙を流して証言したという。
検察官ジェリー・ブラックウェルは19日(現地時間)で「最終的にそれほど複雑ではありません。自分の目を信じることができます」と主張した。検察側はショーヴィン被告が「9分29秒」膝でフロイドさんの首に体重をかけたことや、フロイドさんの最後の言葉で世界中に広がった「プリーズ、息ができない」と訴えたことなどを指摘した。
ショーヴィン被告の弁護人エリック・ネルソンは「ショーヴィンは警察の訓練と規則に従っていただけだ」とした上で「フロイドさんを死に至らせたののはショーヴィンが彼の首に加えた圧力ではなく、フロイドさんの根本的な健康状態と薬物使用歴だった」と主張した。さらに、「怒りを増しているように見える見物人の群衆がショーヴィンに脅威を与え、彼の行動を導いた」と主張した。また「ショーヴィンが意図的に違法な力を行使したという証拠は全くありません」と主張した。
ショーヴィン被告と共に現場にいた他の3人の元警官(J・アレクサンダー・クエン、トーマス・レーン、トウ・タオ)は、いずれも第2級殺人と第2級過失致死のほう助で訴追され、今年の夏にショーヴィン被告とは別に裁判にかけられる。全員が無罪を主張している。ミネアポリス市は、市やショーヴィン被告らに対して起こされた民事訴訟でフロイドの家族と2700万ドル(約29億4300万円)を支払うことで和解した。